それからは短大を卒業するまで、浮いた話のひとつもなく。

卒業後就職した今の病院でも、私はただただ仕事をこなすだけの毎日を過ごしていた。

私が勤めている病院は市立病院で、そこそこの規模でもある。

よって職員の数もハンパなく多い。

しかも男性職員は医者を筆頭に作業療法士、理学療法士、薬剤師、レントゲン技師、看護師、検査技師等々…

まさによりどりみどりだ。

そんな恵まれた環境であるにもかかわらず、なぜ出会いがないと嘆くのか。

その理由は…

私の住んでいる土地が、いわゆるド田舎の部類に属しているから。

そのド田舎の病院ゆえに、いくら規模が大きくても若い男性は自分のスキルアップの為、都会の病院に流れてしまうからだ。

国内でも一二を争う少子高齢化が進んでいるこの土地。

高齢者の医療が主なのは悪い事ではない。最先端の技術を駆使していない訳でもない。

でも患者数が圧倒的に少ないのだ。色んな症例を学びたいと思えば自ずと都会を目指すのは仕方のない事だろう。