でも、どうしても、これだけは絶対に聞いておかなければならないという気がした。

「水谷さん…。ほんとにこれで最後なんです…。私があなたに質問する事は…これから先、もう…ないんですよ…?何を言われたとしても…驚きませんから…話して下さい。正直なあなたの気持ちを…」

真心からの言葉というのは、人の心の琴線に触れる…。

水谷は泣きながら懇願する私に微笑んだ後、ゆっくりと一言一言かみしめるように言った。

「あなたの…おっしゃる通り…です…。あの時もう俺は…彼女にどうしようもない程、惹かれていました…。でも、お互いに既婚者で…子供もいる…。
彼女も俺に好意以上のものを抱いてくれているのは、わかっていましたが…。
どうしても、そこから先に踏み込めませんでした…」

「それは…誰の…為に…?」

水谷は私の問いかけに、大きく息を吐いた後、答えた。