「全部正直にお話します…。何が聞きたいですか…?」

そう言われて、改めて考える。

結婚していた時はあんなにたくさん聞きたいと思っていたのに、いざ聞かれると浮かんで来ない。

「そう…ですね…。結婚するまでの経緯はなんとなく…わかりました…。
あの…では…結婚した後…私に…恋愛感情は…なかったんですか…?」

その質問をすると、私の顔を見ていた水谷がフロントガラスの方に向き直る。

そして、ハンドルに顔を伏せながら…言った。

「ほんとに、申し訳ありません…」

…本当は、聞かなくてもわかっていた。

でも…

はっきりと認めた水谷の言葉は、私の心に鋭い刃のように突き刺さった。

言葉より先に出たのは…

涙だった…。