あとはもう、時間との戦いだった。

なぜ小西の所に恭平と聡介がいるのか…
そしてなぜ、小西はそれを隠すのか…。
考えれば考えるほど、意味がわからない。

でも決していい事ではないはず。
うしろめたい事がなければ隠す必要もないのだから。

そう考えると、むしろマズい事になっている公算の方が高い。
そう思ったらいてもたってもいられなくなり、すぐ水谷に電話した。
すると彼も気が気ではなかったのだろう。
信じられないほどの速さで電話に出てくれた。

私は、おそらく水谷の予想通り二人は小西のマンションにいると告げる。
すると水谷はいますぐ踏み込むと言った。

私は本当に二人がいるという確証がなかったから、不安な思いをそのまま水谷に伝えた。

「それが…実は本人が認めたわけじゃないんです…。聞いても知らないって…。でも、私にいきなり尋ねられてすごく動揺してました…。だからきっと…あの子たちはそこにいます!なんとなくだけど…母親の勘です…」

今さら母親の勘などとどの口が言うのかと思われるかもしれない。

でも私にとっては、命よりも大切な二人の我が子の事。
自分がお腹を痛めて産んだ子供たちの事だけは、守る。

その思いが突き抜けて、不穏な空気を察知したのだと、信じている。