そんな事を考えていると、まわりで野次馬になっていた人たちが二人の後を追って外へ出ていくではないか。

私はみんなのその姿を見て焦り始めた。
みんなと同じように私もどうなるのか見てみたかった。

興味というわけではないが…、なぜか気になって仕方がない。

すると隣の事務員が、「いいよ、あんたが原因なんだからさ、見てきな。後で報告よろしく」と言ってきた。
初対面のその事務員は、私にそう言ってにっこりとほほ笑んだ。

「すみません!…ちょっと、行ってきます…」

私は彼女に会釈して外へ向かって走り出した。

自動ドアの外へ出て、小走りで二人を探す。
表側にはいそうにない。

私は少し奥にある中庭の方へ向かう。

するとすでに人だかりができている所があり、私は場所がそこだとすぐにわかった。

慌ててそちらへ走っていく。

私は野次馬の間を縫って、前の方に出た。


そこには適度な距離をとってにらみ合っている二人がいた。
ジリジリとオジサンが歩み寄る。