「それはこっちのセリフだ…。恭平と聡介がいなくなった。携帯もつながらない…」

何をわざとらしい事を言っているのかと、腹が立った私は勢いよく言った。

「あなたが連れて行ったんでしょっ!どうしてこんな事するの!?
私にこれ以上ひどい仕打ちをいつまでやれば気が済むの!?」

すると水谷は、私が知らない事実を話し始めたのだ。

「いいか、落ち着いて聞いてくれ。確かに俺は三週間くらい前に二人から連絡をもらって会った。そこで聡介が、お前のダンナに無茶ぶりをされて、断ったら殴られたと聞いたんだ。一緒にいたくない助けてくれと言われたら、父親として助けるのが当たり前だろ?違うか?」

私は驚きを隠せないまま水谷に尋ねた。

「えっ?殴られた?誰が聡介を殴ったって?…どういうこと…?」

「お前の再婚相手の医者が、聡介に医者になれって言ったらしい。それをアイツが断ったら…、殴られたと言っていた…。…まさか…知らなかったのか?」

そんなの…
知っていたら黙っているはずがない…。

私は湧き上がる怒りを必死に抑えていた。

そう思っている所へ、水谷が話を続ける。