もう息子は二人とも成長し、自分の考えで行動できるようになっている。
親としてできる事は精一杯やってきたつもり。
もちろん再婚の事は相談しなければいけないから、早速その日の夜息子たちに再婚の話をした。
すると二人は意外にもイマイチな反応をした。
まさかここへきて子供たちの反対にあうなど思いもよらなかった私は、とっさに二人に嘘をついてしまった…。
水谷も再婚したと言ったのだ。
ずっと家庭を顧みなかった父を嫌っている二人が、連絡を取り合う事もないだろうと思ってついた嘘だった。
案の定それならば仕方ないと、子供たちは渋々納得してくれた。
両親にいたっては、再婚相手が医者だという事で私よりも舞い上がっていた。
私は両親に心配かけた事を詫び、近々ここを出て小西の自宅へ移る事を話した。
両親は淋しがっていたが、いつまでも実家にいるわけにはいかないね、と言い納得してくれた。
小西とも人目を憚らず堂々と会えるようになり、今まで出来なかった普通に外で食事したりすることも出来るようになった。
今夜も小西と食事に来ている。
私は今夜の店に着いた時、入り口で一瞬足が止まった。
なぜならそこは、水谷と初めてのデートで訪れたあのフレンチレストランだったから…。
「どうかした?」
立ち止まる私を不思議に思った小西が尋ねたが、私は「なんでもない」と言ってそのまま店に入った。
店の中で食事をしていても、私は話に集中することができなかった。
随分と昔、水谷と来た日の記憶が蘇る…。
うわの空で食事をしている私に、小西がこれからの事について話し始める。
親としてできる事は精一杯やってきたつもり。
もちろん再婚の事は相談しなければいけないから、早速その日の夜息子たちに再婚の話をした。
すると二人は意外にもイマイチな反応をした。
まさかここへきて子供たちの反対にあうなど思いもよらなかった私は、とっさに二人に嘘をついてしまった…。
水谷も再婚したと言ったのだ。
ずっと家庭を顧みなかった父を嫌っている二人が、連絡を取り合う事もないだろうと思ってついた嘘だった。
案の定それならば仕方ないと、子供たちは渋々納得してくれた。
両親にいたっては、再婚相手が医者だという事で私よりも舞い上がっていた。
私は両親に心配かけた事を詫び、近々ここを出て小西の自宅へ移る事を話した。
両親は淋しがっていたが、いつまでも実家にいるわけにはいかないね、と言い納得してくれた。
小西とも人目を憚らず堂々と会えるようになり、今まで出来なかった普通に外で食事したりすることも出来るようになった。
今夜も小西と食事に来ている。
私は今夜の店に着いた時、入り口で一瞬足が止まった。
なぜならそこは、水谷と初めてのデートで訪れたあのフレンチレストランだったから…。
「どうかした?」
立ち止まる私を不思議に思った小西が尋ねたが、私は「なんでもない」と言ってそのまま店に入った。
店の中で食事をしていても、私は話に集中することができなかった。
随分と昔、水谷と来た日の記憶が蘇る…。
うわの空で食事をしている私に、小西がこれからの事について話し始める。