ハジメさんは、

お風呂から 上がると
オレが 汚した、洗たくの中のが
かわくまでに、

朝ご飯の 玉子かけご飯を
すごい いきおいで
食べて、仕事が あるからって
風みたいに、
チェックアウト してった。

子どもみたいだと、
思ってばかりの 白しけメンは、
オレのために、
夜、いてくれたんだと
その時 わかった。

ちゃんと、フトンのこと
ヒソヒソと、スタッフさんに
いって、あやまってくれても
いた。

あと、

昨日、大浴場で 島のおじさんが
教えてくれた とーり、

朝ご飯は、和食をえらんだ。

出された
玉子は、すげー コクがあって
ぽよほよってしてて、
大きな
カツオブシと 味ぴったし の
バツグンに うまかった。

で、もーすぐ
チェックアウトするってのに

「 ユキノジョウくん荷物そこに
おいて、サンドイッチ作るの
手伝ってもらっていい?」

副女さんは、
スタッフの人に、お昼の
テイクアウトで、
サンドイッチを お願いして、
数が 多いからって

わざわざ
それを 手伝っていた。

それは もう、
役員の『サガ』だと 思う。

そして、

まだ、共同作業するの、
ぎこちないから、

オレは、
食堂のイスに 荷物を おいて、
やけに
ノロノロと、
サンドイッチの 具を はさむ。

そうすると、
ユリヤも、だまって
ユキノジョウが 具を
おいた のに、
パンを
しずかに のせていく。

気まずい、けど、
昨日よりは、ユキノジョウの
気持ちは マシ だった。

ハジメさんの おかげ かな?

だから、

「なあ ユリ、昨日さ、オレ また
夜に、花火みた。すごかった。」

しゃべろうと
オレが 口にしたのは
ハジメさんと 昨日、
港の盆踊りで
見た 花火の ことだ。

「え、昨日の 花火、見たの?」

あ、花火で セイカイだ。

オレは、よしって
心ん中で ポーズして 思った。

「うん、ハジメさんに 夜さ、
港ん つれて もらったら、
盆踊りとか しててさ、
それで 見れた。
ユリ、、、見たかった?」

オレが まだ、ユリヤを
見れないで
様子を 声で
うかがうと、

ユリヤは、
パンを のせる手を 止めて、

「うん。」

と となりで いった。
から、オレは すかさず、

「あー。あの、 ごめんな。」

今だと 思って あやまる。

ドサクサだと 思うし、
他ん子なら、
いっしゅん
どれを あやまってるとか
分かんないと 思う。

けど、

「いいよ。」

と、ユリヤは いってくれた。

きっと、何かとか わかっていて、
それで ゆるしてくれて、
だから、
とりあえず 終わった。

良かった。

だてに ほとんど
365日 いっしょじゃない。
けど、
何でも、ぜってーじゃないからな

そこからは、
サンドイッチに
どんどんと、 具が はさめて、

テイクアウトって お昼 準備は、
すぐに 出来た。

「じゃあー、荷物まとめて
チェックアウト だねー。
アコー! アコーどこー!」

ユキノジョウの 母親が、
さっきから 姿が見えない、
アコを
大声で呼ぶ。

ほんと、あの子、お昼を作るの
手伝いもしなくって、
どこー?!もうー。

と、いいながら
2階に上がる階段とか
母親は 探してる。

そこが、子ども達の 定位置
みたいだからだ。
でも、アコは、そこにいない。

アコの声は、意外に
外から 聞こえたのだ。

見たら
ゲストハウスの 玄関から、
アコの頭が
ピョコンと のぞく。

そして、

「お母さん!アタシ、お昼まで
ここにいる!ここの子達と、
まだ、遊ぶ!!だから、
後から むかえに きてね! 」

そんな 事を すごい 笑顔で、
母親達に センゲンして、

アコは
ここの スタッフの子ども達と
外へ 走って 消えた。

いつも たいしたヤツだと思うよ。
すぐ、だれとでも仲良くなる技が
ハンパないのだ。

ああなった、アコは どうしようも
なくなる。

「副女さん、ごめんねー。
今日って
予定、どんな感じかな。」

それが、わかってるから、
ユキノジョウの母親が、困って
副女さんに あやまる。

「いや、いいよ そんな。ほんと、
アコちゃんの 順応性の方が
ほとほと 感心するわ。
まあ、
午前中は、最後に もう1つ
アートを見てから 浜に行こう
かなって、思ってたぐらいよ」

だから、アコちゃんが 残るなら
サンドイッチの お昼を
アコちゃんの分
置いてきますけど
と、スタッフに
おねがいをしてた

スタッフさんも、
子ども達が、すいませんとか
話してる。

そっか、アコは 別行動か。

オレは、ユリヤから
「いいよ」を
もらったから、昨日の夕方と
ちがって、
午前中は、また ユリヤと
いっしょに 回れる。

そう、思うと、やっぱり
あやまって 良かった。

アコを はさんで、
オレと、ユリヤが
並ぶことは
とりあえず
今日は 『カイヒ』出来たわけで、

アコは 好きに 遊べばいいと
思うだけだ。
セーフ!!

あれ?
でも、オレって 何をユリヤに
あやまったんだろ?

花火をユリヤ達に
ナイショで、1人で見た
とかじゃない。

昨日のレモンのことだけど、
何で
あやまったんだろ?

ユリヤは、
何を ゆるして、
くれてんだろ?

あれ???
なんだ? よくわかんないな。

ハジメさんは、
あやまっといた方が いいって
いってた。



ユキノジョウ達は、
アコ以外で

電動自転車を 港まで こいで、
一旦返却すると、

今度は 軽四の車を
レンタルして、

予定した 次のアートへと
4人で
向かうことにした。