ハジメは、
風呂をでると、早速 ゲストハウス
スタッフに、
「ごめんねぇ~。空いてる部屋
あったら、今日1泊 出来る
かなあ~。どこでもOKだよ~」
と、声をかけた。
ちょうど、個室で キャンセルが
出たらしく、案内をしてくれる。
途中で、
そうそう~、
副女さんにぃ 白鷺くんの事、
言って おかなきゃねん~。と、
ユキノジョウを 連れて
母親達に、ユキノジョウと
ハジメで、部屋に 泊まる事を
伝えたりした。
「じゃあ~、白鷺くんの荷物~、
こっちの 個室に、移動してぇ
僕の パジャマ取りに、
ドライブ 行こねぇ~。」
あ、ヨミ君に 連絡いれてぇ、
船の外に パジャマを 持ってきて
もらおうかな~。
ハジメは 電話を 取り出し、
ヨミに 事情を 知らせておく。
「えっと、ホントに?
ハジメさん、別んとこに、
とまるん だったんじゃないの」
ユキノジョウが、
ハジメに 誘われて ついてきた
白の オープンカーで、
申し訳なさそうに、聞く。
ああ~、まだ全然 明るくって
夏は ビックリするよねん~。
夜の7時なのにぃ、夕方みたい
だよねぇ。
「いいの、いいの~。せっかく
だからぁ、あのゲストハウスを
もっと堪能させて もらうよん」
ハジメは、
そう ユキノジョウに ウインクを
すると、アクセルを 踏んだ。
オープンカーで 風を切る。
夕方になると
潮風が 島の中に 強めに吹くのか
耳に受ける
風量が 増して、喋るに 至らない。
ハジメの頭に、
ユキノジョウ達と 檸檬のホテルで
別れた後の 情景が
浮かんだ。
「あそこはぁ、、分校の 教室?
そんな雰囲気のぉ チャペル?」
チャペル、教会。
どれも しっくりこない。
家族の 祈りの 教室 というのが
ハジメが、受けた印象だった。
「なんの~、飾りのないがない
潔いほどの、十字架がぁ
祈りの 場だってぇ 告げてる、」
そんな
場所の 入り口からは
夕方の ミサの声、歌が
聞こえていた。
ケーキを 自ら焼く、
牧師は 意外に、若かく、大柄だ。
ハジメは、1番後ろにある
小さな 木の椅子に 座った。
「驚いたのはぁ、ケーキの種類が
たくさんあったのだよ~、
チーズケーキ、ガトーショコラ
ショートケーキ、プリン、
苺シュークリーム なんだよん」
この決して、大きくない島で、
ミサに来ている、大人や 子供の
数は、多い。
ケーキのプレートカードに、
牧師の コメントが
書かれているのを 見れば
この 場所が
気さくで、愛される 場だと
想像できる。
「あのぉ~、このケーキ持ち帰り
しても 良いです~?
待ってる子達にぃ、食べさせ
たいんですけどぉ~。」
ハジメは、
副女さんに 持たされた 容器を
お手伝いの 信者さんに、
渡した。
ミサが 終わり、教会カフェと
なった 場所で、
早々に ケーキのセットを 食べた
子供達。
『おかわりケーキ』と、
書かれてる ケーキが あり、
子供が 食べ終わった皿を
持っていく。
お手伝いさんの 手で
容器に入れてもらった、
ケーキの 代金を 渡しながら、
ハジメは ぐるりと、
中を 見回した。
「牧師さまぁ、少し
お話を聞いて いいですか~?」
前で、何かしている様子の
牧師に 見計らって、
声を掛かけ ハジメは 近づく。
「用意かぁ、されてるところ
すいません~。こちらは、
初めて来ましたぁ。ケーキに
釣られてなんですけどぉ。」
ハジメは、
最前列の 席に シュっと、座った
「皆さん~来られるんですねぇ。
島の教会に、
こんなにもぉ。驚きました。」
若い牧師は、
そんな ハジメに 手を止めてる。
「旅行ですか?芸術祭に?」
「はい~。昨日、直島の教会に
行ってぇ、あっちでも驚き
ました~。
アートの島の教会って感じの、
デザインされた 建物でしてぇ」
そんな ハジメの問いかけに、
牧師は 人のよさそうな 面持ちで、
「じゃあ、こちらの建物が
小さくて、普通なのには 驚かれ
たでしょうね。
もともとは、この教会から、
宣教の者が 近隣の島に 出向いて
教えを広めていたのですが。」
どうとでも、捉えられる
笑顔を、ハジメに 投げた。
「今はぁ、個々に活動をされてる
ようになったぁて事ですね~
すいません。お忙しいのにぃ 」
ハジメは、ペコリと頭を下げる。
「かまいませんよ。明日は、
終戦の日のミサなので、
用意をしていただけですよ。」
牧師の1言に、ハジメは
ああ、すっかり 失念していたと
言葉にする。
そして、
「やっぱりぃ、終戦の日って、
祈りが変わるのでしょうねぇ。
広島や~、長崎でも 意識がぁ
違うなあって思ってました~」
仕事で、訪れた時でですけどと
ハジメは 笑顔で 続けた。
「そうでしょう。投下された所は
その日も、尚更でしょうし、
戦争が 終わった日も、
ひとしお でしょうかね。」
こちらでも、と 牧師が答える。
ハジメは、ならと
「この島に『ゲッセマネの園』が
あると聞いたのですがぁ~。
場所を 教えて 頂いてもぉ?~」
「・・・」
牧師の 人の良さそうな顔 は、
変わらず、少し間が 空いた。
「かつてぇ、敗戦時に来られた、
GHQ元帥に~、日本人で
唯一面会された 人がぁ この島に
いらっしゃったと、読みました」
ハジメは、
牧師の 次の言葉が
紡がれるまでを、 自分の
知る 事柄で、
呼び水にするように 注ぐ。
「その方の、
日本への戦争を~、なんとか
止めようという動きも 読み
ましたぁ。本当でしょうか?」
図々しいでしょうがぁ
出来るならねぇ、
その方が、祈りを捧げた場所に、
行ってみたいんですよぉ。
ハジメは、子供の様に
ニコリと 笑った。
そんなハジメに、
「私も、ここに長く いらした
長の『書いたモノ』でしか、
知りませんが。
その『賢人』と呼ばれた方は、
直接、戦争回避の約束 を
させようと渡米されました。
その相手は、
当時の 米国大統領でした。
そのような人物に、
会える人だったという事です。
しかし、
本当に 紙一重で、
交わしたばかりの 約束が
白紙になる事を、当時の軍が
起こしたそうです。」
戦争にならないよう、
あのような
兵器の投下が ないよう
祈り、実際に 動いた人が
いたは、本当です。
牧師は、ハジメに 語った。
白のオープンカーが、
港に着くまでは、さほど時間は
かからない。
「白鷺くんのぉ、チラシのお陰で
僕の長年 追いかけてた事~、
1つ 叶いそうなんだよぉ~。」
本当にぃ、白鷺くんの存在なくて
行き着く事って出来なかったよ~
「ハジメさんの 追いかけてた事?
そんなに、大事なこと?」
ユキノジョウは、
風に煽られる髪を、片手で
払いながら
ハジメに 問う。
「そうだねぇ、学生時代の、
『やり残した 宿題』みたいな
モノかなぁ~。ならなくても、
卒業は出来るけどぉ。なんだか
ついつい 気になってねぇ~。」
ふーん。と、ユキノジョウは
相づちを 打って
前に 迫る港を 見つめた。
港には、
船を シルエットに、
2人の 人影が 佇んでいる。
良かったよぉ~。
優秀な スタッフ2人がぁ、
着替えを 持ってお出迎えしてる~
「はぁい。到着~。白鷺くん、
そのまま乗っててぇ。
あの お姉さんがぁ、渡す荷物
受け取ってよぉ~。」
ハジメは、
港に オープンカーを そのまま
回して、ヨミと シオンの前に
停まった。
「なんか、
すごい船ある! なにあれ!」
ユキノジョウは、止まった車から
身を乗り出して、
メガヨットを 見ようとする。
「ライトアップしてるとぉ、
余計に目立つからねぇ~。
あ、ヨミくんもシオンくんも
ありがとうねぇ。この白鷺くんに
荷物渡してくれるぅ?
ケーキは、食べたあ~?」
あぁ、ヨミくん、手に持つ 荷物。
高く上げて、批難めいた
視線~、投げてくるよん~。
「いい加減、自由過ぎます。
ハジメオーナー!!今日は、船に
戻らないって事で、よろしい
でしょうか?!本当に!!」
おお!こわぁ~。
ハジメは、両手と肩を
そびやかして
sorryのポーズで、笑った。
目の前の船が、
ハジメの乗ってきた 船だと
感づいた、ユキノジョウは
「ハジメさん。あの舟、戻った方
がいいんじゃないの?」
横の席で、ヒソヒソと 声を
ひそめて、ハジメの耳に 呟く。
大丈夫。大丈夫。問題ないよん。
「だってぇ、これから
初めて『男の恋バナ』だよん」
ヨミと シオンが、
ハジメの 言葉に 軽く 驚いたのを
みて、
ハジメは、
ざまぁって やつだよん~と
口を弓なりに した。
風呂をでると、早速 ゲストハウス
スタッフに、
「ごめんねぇ~。空いてる部屋
あったら、今日1泊 出来る
かなあ~。どこでもOKだよ~」
と、声をかけた。
ちょうど、個室で キャンセルが
出たらしく、案内をしてくれる。
途中で、
そうそう~、
副女さんにぃ 白鷺くんの事、
言って おかなきゃねん~。と、
ユキノジョウを 連れて
母親達に、ユキノジョウと
ハジメで、部屋に 泊まる事を
伝えたりした。
「じゃあ~、白鷺くんの荷物~、
こっちの 個室に、移動してぇ
僕の パジャマ取りに、
ドライブ 行こねぇ~。」
あ、ヨミ君に 連絡いれてぇ、
船の外に パジャマを 持ってきて
もらおうかな~。
ハジメは 電話を 取り出し、
ヨミに 事情を 知らせておく。
「えっと、ホントに?
ハジメさん、別んとこに、
とまるん だったんじゃないの」
ユキノジョウが、
ハジメに 誘われて ついてきた
白の オープンカーで、
申し訳なさそうに、聞く。
ああ~、まだ全然 明るくって
夏は ビックリするよねん~。
夜の7時なのにぃ、夕方みたい
だよねぇ。
「いいの、いいの~。せっかく
だからぁ、あのゲストハウスを
もっと堪能させて もらうよん」
ハジメは、
そう ユキノジョウに ウインクを
すると、アクセルを 踏んだ。
オープンカーで 風を切る。
夕方になると
潮風が 島の中に 強めに吹くのか
耳に受ける
風量が 増して、喋るに 至らない。
ハジメの頭に、
ユキノジョウ達と 檸檬のホテルで
別れた後の 情景が
浮かんだ。
「あそこはぁ、、分校の 教室?
そんな雰囲気のぉ チャペル?」
チャペル、教会。
どれも しっくりこない。
家族の 祈りの 教室 というのが
ハジメが、受けた印象だった。
「なんの~、飾りのないがない
潔いほどの、十字架がぁ
祈りの 場だってぇ 告げてる、」
そんな
場所の 入り口からは
夕方の ミサの声、歌が
聞こえていた。
ケーキを 自ら焼く、
牧師は 意外に、若かく、大柄だ。
ハジメは、1番後ろにある
小さな 木の椅子に 座った。
「驚いたのはぁ、ケーキの種類が
たくさんあったのだよ~、
チーズケーキ、ガトーショコラ
ショートケーキ、プリン、
苺シュークリーム なんだよん」
この決して、大きくない島で、
ミサに来ている、大人や 子供の
数は、多い。
ケーキのプレートカードに、
牧師の コメントが
書かれているのを 見れば
この 場所が
気さくで、愛される 場だと
想像できる。
「あのぉ~、このケーキ持ち帰り
しても 良いです~?
待ってる子達にぃ、食べさせ
たいんですけどぉ~。」
ハジメは、
副女さんに 持たされた 容器を
お手伝いの 信者さんに、
渡した。
ミサが 終わり、教会カフェと
なった 場所で、
早々に ケーキのセットを 食べた
子供達。
『おかわりケーキ』と、
書かれてる ケーキが あり、
子供が 食べ終わった皿を
持っていく。
お手伝いさんの 手で
容器に入れてもらった、
ケーキの 代金を 渡しながら、
ハジメは ぐるりと、
中を 見回した。
「牧師さまぁ、少し
お話を聞いて いいですか~?」
前で、何かしている様子の
牧師に 見計らって、
声を掛かけ ハジメは 近づく。
「用意かぁ、されてるところ
すいません~。こちらは、
初めて来ましたぁ。ケーキに
釣られてなんですけどぉ。」
ハジメは、
最前列の 席に シュっと、座った
「皆さん~来られるんですねぇ。
島の教会に、
こんなにもぉ。驚きました。」
若い牧師は、
そんな ハジメに 手を止めてる。
「旅行ですか?芸術祭に?」
「はい~。昨日、直島の教会に
行ってぇ、あっちでも驚き
ました~。
アートの島の教会って感じの、
デザインされた 建物でしてぇ」
そんな ハジメの問いかけに、
牧師は 人のよさそうな 面持ちで、
「じゃあ、こちらの建物が
小さくて、普通なのには 驚かれ
たでしょうね。
もともとは、この教会から、
宣教の者が 近隣の島に 出向いて
教えを広めていたのですが。」
どうとでも、捉えられる
笑顔を、ハジメに 投げた。
「今はぁ、個々に活動をされてる
ようになったぁて事ですね~
すいません。お忙しいのにぃ 」
ハジメは、ペコリと頭を下げる。
「かまいませんよ。明日は、
終戦の日のミサなので、
用意をしていただけですよ。」
牧師の1言に、ハジメは
ああ、すっかり 失念していたと
言葉にする。
そして、
「やっぱりぃ、終戦の日って、
祈りが変わるのでしょうねぇ。
広島や~、長崎でも 意識がぁ
違うなあって思ってました~」
仕事で、訪れた時でですけどと
ハジメは 笑顔で 続けた。
「そうでしょう。投下された所は
その日も、尚更でしょうし、
戦争が 終わった日も、
ひとしお でしょうかね。」
こちらでも、と 牧師が答える。
ハジメは、ならと
「この島に『ゲッセマネの園』が
あると聞いたのですがぁ~。
場所を 教えて 頂いてもぉ?~」
「・・・」
牧師の 人の良さそうな顔 は、
変わらず、少し間が 空いた。
「かつてぇ、敗戦時に来られた、
GHQ元帥に~、日本人で
唯一面会された 人がぁ この島に
いらっしゃったと、読みました」
ハジメは、
牧師の 次の言葉が
紡がれるまでを、 自分の
知る 事柄で、
呼び水にするように 注ぐ。
「その方の、
日本への戦争を~、なんとか
止めようという動きも 読み
ましたぁ。本当でしょうか?」
図々しいでしょうがぁ
出来るならねぇ、
その方が、祈りを捧げた場所に、
行ってみたいんですよぉ。
ハジメは、子供の様に
ニコリと 笑った。
そんなハジメに、
「私も、ここに長く いらした
長の『書いたモノ』でしか、
知りませんが。
その『賢人』と呼ばれた方は、
直接、戦争回避の約束 を
させようと渡米されました。
その相手は、
当時の 米国大統領でした。
そのような人物に、
会える人だったという事です。
しかし、
本当に 紙一重で、
交わしたばかりの 約束が
白紙になる事を、当時の軍が
起こしたそうです。」
戦争にならないよう、
あのような
兵器の投下が ないよう
祈り、実際に 動いた人が
いたは、本当です。
牧師は、ハジメに 語った。
白のオープンカーが、
港に着くまでは、さほど時間は
かからない。
「白鷺くんのぉ、チラシのお陰で
僕の長年 追いかけてた事~、
1つ 叶いそうなんだよぉ~。」
本当にぃ、白鷺くんの存在なくて
行き着く事って出来なかったよ~
「ハジメさんの 追いかけてた事?
そんなに、大事なこと?」
ユキノジョウは、
風に煽られる髪を、片手で
払いながら
ハジメに 問う。
「そうだねぇ、学生時代の、
『やり残した 宿題』みたいな
モノかなぁ~。ならなくても、
卒業は出来るけどぉ。なんだか
ついつい 気になってねぇ~。」
ふーん。と、ユキノジョウは
相づちを 打って
前に 迫る港を 見つめた。
港には、
船を シルエットに、
2人の 人影が 佇んでいる。
良かったよぉ~。
優秀な スタッフ2人がぁ、
着替えを 持ってお出迎えしてる~
「はぁい。到着~。白鷺くん、
そのまま乗っててぇ。
あの お姉さんがぁ、渡す荷物
受け取ってよぉ~。」
ハジメは、
港に オープンカーを そのまま
回して、ヨミと シオンの前に
停まった。
「なんか、
すごい船ある! なにあれ!」
ユキノジョウは、止まった車から
身を乗り出して、
メガヨットを 見ようとする。
「ライトアップしてるとぉ、
余計に目立つからねぇ~。
あ、ヨミくんもシオンくんも
ありがとうねぇ。この白鷺くんに
荷物渡してくれるぅ?
ケーキは、食べたあ~?」
あぁ、ヨミくん、手に持つ 荷物。
高く上げて、批難めいた
視線~、投げてくるよん~。
「いい加減、自由過ぎます。
ハジメオーナー!!今日は、船に
戻らないって事で、よろしい
でしょうか?!本当に!!」
おお!こわぁ~。
ハジメは、両手と肩を
そびやかして
sorryのポーズで、笑った。
目の前の船が、
ハジメの乗ってきた 船だと
感づいた、ユキノジョウは
「ハジメさん。あの舟、戻った方
がいいんじゃないの?」
横の席で、ヒソヒソと 声を
ひそめて、ハジメの耳に 呟く。
大丈夫。大丈夫。問題ないよん。
「だってぇ、これから
初めて『男の恋バナ』だよん」
ヨミと シオンが、
ハジメの 言葉に 軽く 驚いたのを
みて、
ハジメは、
ざまぁって やつだよん~と
口を弓なりに した。