地球中に一気に蔓延した、
新型ウイルスの脅威は
日本の神戸で
無事に稼働完成した
メガコンピューターの天文学的
データ計算によって 有効薬品を
算出され、

原材料となる 有役植物を
再構築し
治療薬と、体内排出薬を
生み出すことによって
終焉を迎えた。

人類は 今回も
地球上に存在する事を
許されたのだろう。

それは、とても些細な そして、
密度の高い波紋だった。

それは、1つではなく、
些細な1石が 波紋を重ねるように
1つが投じられる事で
必ず 次々も投じられる
些細で、重度ある
波紋。



私は、今の場所で 『監査女さん』と呼ばれる。

そして私は、彼女を『副女さん』
と呼ぶ。


宇宙中には無数の選択肢がある。

それは、
神様により造られた
慈悲プログラムなのだろう。


初めて 出会った 副女さんは、
斜め上 ばかり見る 私を
真っ直ぐに 正面から 見つめて、

『貴女いつも斜め上と話すよね』

直球に事実を 脳天に撃ち込んで
困った風に
彼女は 微笑んだ。

「私の事 誰かに聞いたんですか」

必ず用意されている、
網目の中に 組み込まれた
存続の
百千万億那由他阿僧祇劫%の
出会なのだろう。


私は しがない 能力者だ。

本来なら、
流派に属して 修行すべきだけど
この先も そのつもりは無い。

能力者の世界にも 派閥があり
宗教界にも 権威や大きさへの、
いや、やめよう。

『貴女、誰と話す時も、何か見る
時も、斜め上に視線あるから、
きっと、ここを見てないの
かもって、思っただけ。違う? 』

「気味が悪いって、言われるん
ですけど。私、見えるタイプ
なんですよ。 信じます?」

『見えるって、どこらへん?』

「!」

この一言は、正直驚いたかも。
目の前の彼女は、
きっちり
『チャンネルの概念』を
知ってる 人間で、
私は そんなタイプには
初めて 会ったからだった。

「副女さんって、凄い精神暗殺者
なんですね。今までの人が
まんま、
やり返して 来てますよ。」

その、相手の様子や 見かけを、
彼女に 伝えると、彼女の顔が
衝撃的に 強張ったのが わかった。

『あら、貴女、凄いわ。』

とても、冷静で 感嘆の声色で、
彼女は 私に 返事する。


私の見えるモノは
変則的だ。
子供の頃から 変わらない。
だから、本来は
能力の体系化をするべく、
修行が必要なのだろう。

けれど、人はとても
流されやすい
ほんの少し 自我が入れば
見える 世界が 影響される。
何かに 属するのは、
その 影響下に 入りやすい。

なら、属しないのが
1番 影響されずに 見える。

でも、
見える ことは、
大した事 じゃない。
聴く事の方が 遥かに 難解。
読み解く事。

聴く事が出来れば、
話せる。話せれる存在ならば
見える事の整合性が高くなる。
見える事は、
あまりにパズルなのだ。

『監査女さんって、総合委員女
さんの事、惹かれてるよね?』

彼女の誘いで、
見えるモノの組織ではない、
普通のPTA役員に入った。

彼女は、
好奇心や、損得ではない、
けれど 私の存在も 認める。

「総合委員女さんの、魂の
キラキラが尊くて、ボーッと
してしまうだけです。」

オーラ見える。
魂の色、見える。
前世、見えるけど
何回めのかは?
人や物、場所の念、見える。
アカシックレコード
わずか見える
未来、予言、断片たまに見える。

相手の行いの残像、見える。

幽体、生き霊、見える。
守護霊、先祖霊、見える。
悪魔、見える。
宇宙人、妖精、見える。
天使、1年に1回見えるかどうか。

仏様、神様、見たことない。

しがない者では、無理。


『大切な事 だって監査女さんが
思った事だけを、知らせてくれ
たら いいよ。
あとは、些細な話だ。』

最初に 副女さんが
私に 言ったルールだ。

この世界には、たくさんモノが
存在していて、私が見る日常は
密度が濃くて 思考が 困る。

どうして、
電車の 優先座席に、
宇宙の人が
某ファストファッションメーカー
のTシャツを 着て、
大手ハンバーガー店の 袋を、
匂い させながら
座ってる?

そのお金は?
水道料金とか 払って住んでる?

突っ込みたい 気持ちが 一杯で、
どうしても ガン見てると、
向こうも気が付いて、笑う?


副女さんに 大切だと思った事を
いつに 伝えたかは、
覚えていない。
見える時間軸が 多過ぎて
実際のカレンダーが
どうしても、疎かになる。


「副女さん、1ついいですか?」

今日も、
この居酒屋のレジには
『ちっさいおじさん』が
店のお酒を 飲みまくっている
のが、見える。

県P交流会は、
鼻血が また出そうだった。

見える残像がヒドイ。
不倫横行とか 体罰とか あと、
いや、やめよう。

そういや、あそこの体育館。
若い霊がいたけど、
あいつは 最低だな。
若い ミニスカ お母さんとか、
キモイ 目でみて、
スカート 覗くって!
しになさい!って、しんでるか!
何万回でも 逝きなさい!!


「とても、大事な話です。」

『じゃあ、個人としての会に』
副女さんの瞳が 光った。

そうして、
たまに、打ち上げで来る
居酒屋に、私は副女さんといる。

『ちっさいおっさん』がいる
飲食店は、美味しいから
間違いはない。
あれは、座敷わらしと妖精の
ハイブリッドだから。


「パーツでの自由選択肢です。
きっと、副女さんの意思が
尊重されます。ただし、これが
貴女の最後の 選択になります」

私は、
見える限りを、まんまに
彼女に 伝える。

パズルの断片では、
私にだって、何が いつ、
もしくは、
もう前世に 起きた事かも
しれない事。

わからない。わからない。

でも、伝える。

副女さん、とんでもない人だ。

私は、
ビールの泡が 弾ける音や、
焼き鳥の 甘しょっぱい
匂いがする
居酒屋の 青空席で 夕方の凪を
顔に受け止めながら、

宇宙中にちらばる
無数の選択肢の中から

神様により造られ、
掬い上げられた 釈迦の掌にある
マスターの慈悲プログラムだと
感じる 選択のビジョンを、

彼女に伝えた。

きっと、
これが 今世の 私の役目。

それは、とても些細な そして、
密度の高い波紋。

1つの 投石が
1つの 投石を救い
その 投石が 成される 事で、
大事な 投石が 成就する。

そして、水面自体が 存続
出来る。

世界は、私達しだい。