ユキノジョウ達が
船のレディースルームに
着いたのは、1番のりだった。
だから すぐに、
自分達の上着を広げる。
だって 大人2人分も、場所を
取らないとダメだからな。
「よし!これで 場所はOK。」
ユキノジョウは、1番奥の窓側に
自分の パーカーを しいておく。
となりに、ユリヤ、アコと
持っていた、 それぞれの上着を
しいていると、ようやく
大人 2人が 部屋に 顔をだした。
おそいよ!!
「はあー、やっぱ、子ども達は
足が 早いわよねっ。」
ユキノジョウの母親が、
ハイヒール!!を脱いで、
ユキノジョウ達の 向かいに座る。
と、副女さんも、その隣に荷物を
ドサッと置いた。
「これで、ひと安心。みんな、
お疲れ様。助かったわ。
もうダッシュ有り難う。」
すると だんだん、ガヤガヤと
騒がしくなる船内。
たくさん並んでいたけど、
どれだけの人数が、船に乗るんだ。
副女さんが、ユキノジョウ達に
声をかけて くれて いると、
『あのー。ここって、
女性専用ですよね。』
知らない 女のひとが、チラリと
ユキノジョウを見て、副女さんに、
声を掛けて きたのだ。
ユキノジョウは、びくっと、
する。やっぱり、ヤバいよな?
「わざわざ、声を掛けてもらって、
すいません。ホームページにも
ありますけど、船会社さんに
確認しましたら、小学生までは
母親同室は大丈夫と、了解を
もらってます。でも、1番奥の
窓側に、男の子には寝てもらい
ますから。
有り難うございますね。」
その女のひとに、
副女さんが、これでもかって
丁寧に答えて、返した。
女のひとは、『そうですか。』
と、反対側に 荷重をおいて、
それ以上は 何も言わない。
ユキノジョウは、ひやひやした
けど、さすがユリヤの母親
だと思う。でも、
「オレ、船の中見てくる。」
ユキノジョウは、
そう 大人2人に 言って部屋を
出た。いずらい んだよ。
「くそっ、だから女子ん部屋
いやだって 言ったんだ。」
そう言った
自分の 気持ちの イライラと、
まだ 自分が子ども だと言われた
ことに、とにかく 腹が立つ。
それに、カッコわるいだろ。
「ユキくん、男のひとの
部屋とか見てみる?」
「えっ、!」
急に 後ろから、声をかけられて、
ユキノジョウは ビックリした。
ユリヤが 追いかけて
来てるなんて、オレは 全然
気が 付かなかったのだ。
「そうだな。見てみる。」
いきなり、部屋を 出た理由とか、
何も 言わないで、ユリヤを 隣に、
上の 階段を 上る。
階段を もう1つ上がった 階が、
メンズの部屋が あるのだ。
というか階段を上がると、もう
部屋の外のロビーにも、シートや
新聞紙を 引いて、寝転がっている
大人が いっぱい いるじゃないか。
副女さんが、あれだけ 走らせた
意味を、ユキノジョウは
今さら 知った気がした。
新型ウイルス予防の ラインは
お客さん同士で、自然と ルールを
作っては いそうだけど。
「ユリ、はぐれんなよ。」
ユキノジョウは、ユリヤが 来てるのを ちゃんと見て、男の 人達を
わけ進む。
メンズルームは もう
タバコと、お酒 のにおいが
こもっていた。
なんか、とんでもない。
大人の男達の 空間 すぎる。
「なんか、すごいとこだね。ユキくん、やっぱりもとの部屋にしよ?」
ユリヤが、ユキノジョウの 服を
引っ張る 気持ちは、よく分かる。
おんなじ 部屋の作り なのに、
どうして 男ばっかりだと、
こんなに 『山賊のアジト』みたい
なんだろう?
うーん。不思議だぞ。
「こんな とこじゃ寝れないしな」
ユキノジョウは、少しだけ
自分が 中学生 じゃなくて、
安心した。
こんな事思うのは、
めったに ないけどなあ。
さて、戻るかなと ユキノジョウが
ユリヤと 帰る気になった 時、
『この度は、神戸港発、高松港
経由小豆島行き フェリーに、
乗船頂き有り難うございます。
この船は、、、』
たまに、昭和のヒット曲で
聞くような音楽が かかって、
船内アナウンスが 始まった。
『まもなく、この船は、
明石大橋の下を 通過いたします。
船上 デッキを 開放して
おりますので、是非橋の下を
くぐる ダイナミックな景色を
お楽しみください。なお、、』
アナウンスは、まだ 続いている
けど、ユキノジョウはユリヤに、
「ユリ、デッキに出るぞ!」
と、誘って 外廊下に 出た。
何人かが、やっぱり 同じように
外に出てくる。
廊下奥の 階段を 上がる。
夜の海は真っ黒で、廊下にでると
その迫力に、ビビッたけど、
「うぁー!!すげ!星が、
めっちゃ見えるぞ!」
「わ!すごい!」
広くて、高い船上デッキに出ると、
頭の上に たくさんの 星が
みえた。
こんなに、海の上は 星が見える
なんて、ユキノジョウは
想像しなかったから、感動だ。
て、なんか『へんな大きなモノ』が
デッキにあるのが、見える。
「ユリ、あれ何んの
キャラクター?」
子どもなのに、チョビヒゲを
つけた、黄色い宇宙服の子ども?
の デカイキャラクターが、
葉っぱを 持っている。
「なんか、書いてるけど。
お母さんが言ってた、
芸術祭のキャラクターかな?」
ユリヤも、キャラクターの前に
いる ユキノジョウのところへ、
近寄ってきた。
「ふーん。」
2人で見ていると、少し大人が
寄ってきて、そのキャラクターと
写真を 撮り はじめる。
回りの 海を見ると、思っている
よりたくさんの 船が真っ黒な海を
走って、筋を作っていた。
それが、不思議に 思う。
船が 高速道路を行く 車みたいに
たくさん 横を 走る。
船の明かりが、キラキラして
海に散らばる 宝石にも 見える。
プールの 授業で、
潜水の 練習するとき
水の中で 光る メダルみたいだ。
前には、七色にイルミネーションが
輝いている、大きな橋が空に
浮き上がってみえてきた。
空に かかる、虹の門みたいだ。
イルミネーションが、デッキや、
へんな キャラクターに色を
つけた。
「キレーだね。」
隣で ユリヤの声がして、
ふと ユキノジョウは、そっちを
見る。
ユリヤの白い顔や 肩とか、
目の中に、
イルミネーションの色が
キレイに 映って 見えた。
ユキノジョウは、それを
よく分からないけど、
『スゲー』と思った。
「座るか、」
ユキノジョウは ユリヤに言って、
2人で デッキに 三角座りをして、
大きな 橋が、頭の上を 通りすぎる
迫力を、口を開けて 見ていた。
大人達は、みんな 電話を
かざして 写真を 撮っている。
ボンヤリと それが、暗い中で
ロウソクや、ホタルみたいな
光を していて、
その ゆらゆら光の中で
ユキノジョウとユリヤ は、
今 星空の 下で、虹の門を
くぐり 抜ける。
船のレディースルームに
着いたのは、1番のりだった。
だから すぐに、
自分達の上着を広げる。
だって 大人2人分も、場所を
取らないとダメだからな。
「よし!これで 場所はOK。」
ユキノジョウは、1番奥の窓側に
自分の パーカーを しいておく。
となりに、ユリヤ、アコと
持っていた、 それぞれの上着を
しいていると、ようやく
大人 2人が 部屋に 顔をだした。
おそいよ!!
「はあー、やっぱ、子ども達は
足が 早いわよねっ。」
ユキノジョウの母親が、
ハイヒール!!を脱いで、
ユキノジョウ達の 向かいに座る。
と、副女さんも、その隣に荷物を
ドサッと置いた。
「これで、ひと安心。みんな、
お疲れ様。助かったわ。
もうダッシュ有り難う。」
すると だんだん、ガヤガヤと
騒がしくなる船内。
たくさん並んでいたけど、
どれだけの人数が、船に乗るんだ。
副女さんが、ユキノジョウ達に
声をかけて くれて いると、
『あのー。ここって、
女性専用ですよね。』
知らない 女のひとが、チラリと
ユキノジョウを見て、副女さんに、
声を掛けて きたのだ。
ユキノジョウは、びくっと、
する。やっぱり、ヤバいよな?
「わざわざ、声を掛けてもらって、
すいません。ホームページにも
ありますけど、船会社さんに
確認しましたら、小学生までは
母親同室は大丈夫と、了解を
もらってます。でも、1番奥の
窓側に、男の子には寝てもらい
ますから。
有り難うございますね。」
その女のひとに、
副女さんが、これでもかって
丁寧に答えて、返した。
女のひとは、『そうですか。』
と、反対側に 荷重をおいて、
それ以上は 何も言わない。
ユキノジョウは、ひやひやした
けど、さすがユリヤの母親
だと思う。でも、
「オレ、船の中見てくる。」
ユキノジョウは、
そう 大人2人に 言って部屋を
出た。いずらい んだよ。
「くそっ、だから女子ん部屋
いやだって 言ったんだ。」
そう言った
自分の 気持ちの イライラと、
まだ 自分が子ども だと言われた
ことに、とにかく 腹が立つ。
それに、カッコわるいだろ。
「ユキくん、男のひとの
部屋とか見てみる?」
「えっ、!」
急に 後ろから、声をかけられて、
ユキノジョウは ビックリした。
ユリヤが 追いかけて
来てるなんて、オレは 全然
気が 付かなかったのだ。
「そうだな。見てみる。」
いきなり、部屋を 出た理由とか、
何も 言わないで、ユリヤを 隣に、
上の 階段を 上る。
階段を もう1つ上がった 階が、
メンズの部屋が あるのだ。
というか階段を上がると、もう
部屋の外のロビーにも、シートや
新聞紙を 引いて、寝転がっている
大人が いっぱい いるじゃないか。
副女さんが、あれだけ 走らせた
意味を、ユキノジョウは
今さら 知った気がした。
新型ウイルス予防の ラインは
お客さん同士で、自然と ルールを
作っては いそうだけど。
「ユリ、はぐれんなよ。」
ユキノジョウは、ユリヤが 来てるのを ちゃんと見て、男の 人達を
わけ進む。
メンズルームは もう
タバコと、お酒 のにおいが
こもっていた。
なんか、とんでもない。
大人の男達の 空間 すぎる。
「なんか、すごいとこだね。ユキくん、やっぱりもとの部屋にしよ?」
ユリヤが、ユキノジョウの 服を
引っ張る 気持ちは、よく分かる。
おんなじ 部屋の作り なのに、
どうして 男ばっかりだと、
こんなに 『山賊のアジト』みたい
なんだろう?
うーん。不思議だぞ。
「こんな とこじゃ寝れないしな」
ユキノジョウは、少しだけ
自分が 中学生 じゃなくて、
安心した。
こんな事思うのは、
めったに ないけどなあ。
さて、戻るかなと ユキノジョウが
ユリヤと 帰る気になった 時、
『この度は、神戸港発、高松港
経由小豆島行き フェリーに、
乗船頂き有り難うございます。
この船は、、、』
たまに、昭和のヒット曲で
聞くような音楽が かかって、
船内アナウンスが 始まった。
『まもなく、この船は、
明石大橋の下を 通過いたします。
船上 デッキを 開放して
おりますので、是非橋の下を
くぐる ダイナミックな景色を
お楽しみください。なお、、』
アナウンスは、まだ 続いている
けど、ユキノジョウはユリヤに、
「ユリ、デッキに出るぞ!」
と、誘って 外廊下に 出た。
何人かが、やっぱり 同じように
外に出てくる。
廊下奥の 階段を 上がる。
夜の海は真っ黒で、廊下にでると
その迫力に、ビビッたけど、
「うぁー!!すげ!星が、
めっちゃ見えるぞ!」
「わ!すごい!」
広くて、高い船上デッキに出ると、
頭の上に たくさんの 星が
みえた。
こんなに、海の上は 星が見える
なんて、ユキノジョウは
想像しなかったから、感動だ。
て、なんか『へんな大きなモノ』が
デッキにあるのが、見える。
「ユリ、あれ何んの
キャラクター?」
子どもなのに、チョビヒゲを
つけた、黄色い宇宙服の子ども?
の デカイキャラクターが、
葉っぱを 持っている。
「なんか、書いてるけど。
お母さんが言ってた、
芸術祭のキャラクターかな?」
ユリヤも、キャラクターの前に
いる ユキノジョウのところへ、
近寄ってきた。
「ふーん。」
2人で見ていると、少し大人が
寄ってきて、そのキャラクターと
写真を 撮り はじめる。
回りの 海を見ると、思っている
よりたくさんの 船が真っ黒な海を
走って、筋を作っていた。
それが、不思議に 思う。
船が 高速道路を行く 車みたいに
たくさん 横を 走る。
船の明かりが、キラキラして
海に散らばる 宝石にも 見える。
プールの 授業で、
潜水の 練習するとき
水の中で 光る メダルみたいだ。
前には、七色にイルミネーションが
輝いている、大きな橋が空に
浮き上がってみえてきた。
空に かかる、虹の門みたいだ。
イルミネーションが、デッキや、
へんな キャラクターに色を
つけた。
「キレーだね。」
隣で ユリヤの声がして、
ふと ユキノジョウは、そっちを
見る。
ユリヤの白い顔や 肩とか、
目の中に、
イルミネーションの色が
キレイに 映って 見えた。
ユキノジョウは、それを
よく分からないけど、
『スゲー』と思った。
「座るか、」
ユキノジョウは ユリヤに言って、
2人で デッキに 三角座りをして、
大きな 橋が、頭の上を 通りすぎる
迫力を、口を開けて 見ていた。
大人達は、みんな 電話を
かざして 写真を 撮っている。
ボンヤリと それが、暗い中で
ロウソクや、ホタルみたいな
光を していて、
その ゆらゆら光の中で
ユキノジョウとユリヤ は、
今 星空の 下で、虹の門を
くぐり 抜ける。