『パソコンです。パソコンが私の代わりに喋るんです』

私は嬉しくて涙が溢れてきた。
「泣かないで、まだまだこれからよ。今度は持ち運びが簡単なように薄いタブレットにして貰うの」
『林さん、有難う御座います』
「お礼を言うのは私の方よ。新商品が出来たのだもの。主人も喜んでいるわ」

私は涙が次から次へ出た。嬉し泣きってこういう事を言うんだと思った。こんな涙なら大歓迎である。

いつか、工場の上司もパワハラで訴えようと思っていたけれど、今が幸せなので、それは止める事にした。その事を武田さんに言ったら、
「ああ、リーダーはとっくに若いアルバイトの女の子に訴えられて、工場を辞めたよ。そのせいで離婚もされて大変だったみたい。私、その事を今野さんに教えようと思っていたのだけど、あまりリーダーの話はしたらいけないと思ってしなかったの」と教えてくれた。

やっぱり神様っているのかな。