結局次の日も声が出せず、私は会社を休ませて貰った。連絡はメールを打った。林さんから私が一人暮らしなので心配だと返信が帰ってきた。

大学病院はその次の日に行った。採血からMRIまで色々な検査をする。午前中早い時間に行ったが、診察室に呼ばれたのは午後の遅い時間になってしまった。

「今の所の検査結果では特に異常はないですね。やはり心因性の確立が高いです」
がっちりとした体格の医師がパソコンの画面から私の方に身体を向ける。

「院内の紹介状を書きます。この大学病院に精神科があるので行ってみて下さい」

私は肩を落とした。
私って何て弱いメンタルの持ち主なんだろう。こんな事では田舎の父や母に合わせる顔が無い。

大学病院からの帰り道、私はずっと外の景色を眺めていた。電車の窓から見える景色は家々が隙間なく埋め尽くされている。田舎から都会に出てきて私みたいに病んでしまって帰る人間がどれ位いるのだろう。

ダメだ。田舎へはまだ帰りたくない。