「パソコン、新しいの買って用意しておいたから使って。最新のデスクトップでモニターとハードが一体型なのよ。だからスイッチはここ」
そう言って林さんはモニターの横のスイッチを教えてくれた。

「パソコンの設定は自分の好きにしていいわよ。プリンターはこれ、印刷する時はこのプリンターを選んでね。この1台でコピーもFAXもスキャンも出来るのよ。簡単でいいでしょ」
確かにこの1台の使い方を覚えるだけなら簡単かもしれない。だがはたしてパソコンが使いこなせるか。

「午前中はお茶やコーヒーの入れ方と電話の応対を教えるわ」
私は持ってきたノートを開いた。聞いた事を忘れないようにメモをする為だ。

「あら。ノート買ってきたの?会社で使う備品は用意するから言ってくれればいいのに。そうそう、机の中に新しいのを入れといたの。それから使いそうな文房具も一式用意してあるわ。引き出しを引いて中を確認してみて」
私は机の一番上の引き出しを開けた。中にはボールペンや修正液、ホチキス、付箋、その他色々な物が入っていた。

「他にも欲しい物があったら言ってね」
「はい」
それから私は林さんに会社でやらなければならない色々な事を教わった。気がつくともうお昼の時間になっていた。