「それは多分、恋ね」

 数日後、スミレさんと公園に秋の風景を楽しむために2人でお出かけする。

 まだ緑が混ざっていて完全な紅葉とは言い難いけれど、それでも赤や黄色に染まる木々の葉が秋の風情を醸し出していて、十分にその季節を味わうことが出来た。

「こ、恋……?」

 今までに誰かを好きになったことはあるけれど、改めてその言葉を口にするのはやっぱり恥ずかしい。

「誰かの笑顔を守りたいなんて、そんなの恋じゃなくてなんて言うの?」

「えっと……」

「カイでしょ?」

「あ、あの……は、はい……」

 恋なんて、そもそも私は人間でこの恋が許されるはずがない。住む世界が違いすぎるもの。