カイさんの笑顔を守るために、絶対にどうにかするんだ。

 って、私、どうしてそんなことを思うんだろう。1人の人の笑顔の為じゃなくて、街の為、だよ。

 まるで私がカイさんを特別視しているみたいじゃない。

「ほら、料理、冷めちまうぞ」

「そうですね、美味しいうちに食べましょうっ」

 おかしいな、カイさんに対する気持ちが昨日までとは少し違ってきているような気がする。ピンク色から赤色に変わるグラデーションの途中の、どちらともつかない色。そういう気持ち。