料理はそれなりに出来たけれどし見栄えもそんなに悪くないように感じるけれど、やっぱりカイさんのものと比べると雲泥の差で、そんな自分の料理に落胆してしまう。 

 そもそも、カイさんはプロだもの。カイさんの料理の味を出せるなんてそんな傲慢なことを考えること自体間違ってる。

 ただ焼くだけでも、こんなに差が出るなんて、料理ってすごく奥が深い。

 どうしたらもっと美味しそうに食材たちを使うことが出来るのだろう。食材をもっと生かしたい。









「それで、失敗しちゃったんです。少し焦がしちゃって」

 夕食の時、今日の料理のことをカイさんにも話す。何か、アドバイスがもらえたって思うのは、欲張りすぎかな?

「そうなのか。まあ、最初は誰でも失敗するし、何度か挑戦してればそのうちうまくなるだろ」

 な? と言ってカイさんは私の頭を撫でる。

 その触り方が余りにも優しくて、ふわっとまるで壊れやすいガラスを扱う時のような手つきで、思わずどきっとしてしまった。

 それに、笑った顔もいつもより柔らかく見えて……。

「真由?」

 どうして、そんな顔を私に……人間に向けてくれるのか、知りたくなった。