「ありがとうございます。とても美味しかったです」

 一口一口を噛み締めて、時間をかけてゆっくりと紅葉を楽しんだ。

 お茶と和菓子の趣深いひと時は心に平穏を与えてくれる。

「じゃあ、また来ますね」

 洋菓子と和菓子を1つずつ購入して店を後にした。

 今日はこのままカフェに帰ろう、というよりもカイさんとそう約束した手前、これ以上勝手な行動をすることは許されない。



 
 カフェに戻ってくると、ちょうどランチ時と言うことでカイさんは忙しそうにしている。

 邪魔すると悪いと思い、声をかけずにそのまま家に戻った。