「両親は心が優しい人で、俺にもその血が少しくらい流れてるんだろうな。お前を見た時放って置けないって思ったんだよ」

「カイさん……」

「それより、真由なんか隠してるだろ? キセキバナ、だっけ。あれって災いを鎮めるための花だろ? 噂で聞いたことがある。まさかそれを1人で探すつもりじゃないだろうな?」

「それは……」

「真由がそこまでする必要は」

「あるんです。最近起こる地震、大雨。災いの内容にぴったりなんです。もしこのまま放置したら、最後は皆が灰に埋もれてしまう……。そんなのは嫌なんです。私は、皆さんが好きです。カイさんのカフェが大好きです。だから、絶対に災いを止めたいんです」

「真由……」

 自分の言っていることがどれだけ無謀で、危険な事なのかは十分理解している。でもそれでも私にも守りたいものがあって、それは自分以上に大切なもの。

「協力する。だから、無理はするな」

「はい……。ありがとう、ございます」