それを止めるには、『キセキバナ』というハーブの花を咲かせて山の奥にある祠に奉納するか、迷い込んだ人間を殺すかの二択になる。

 ただし、キセキバナを咲かせるにはこの世界の地主の信頼が必要で、信頼を得られたその日から数日間、花が開く。

「信頼が得られなければ殺される……」

 カイさんが言っていた一年後に帰ることが出来るというのは多分、災いが起きてしまった今このキセキバナを奉納できることが条件で、もしキセキバナの花を咲かせられなかったときには……。

「街が滅びる……」

 それは絶対にダメ。でも……どうしよう、まず花を咲かせるためには種が必要で、その種がどこにあるのかどうかも分からない。

 とりあえずこの本を隅々まで読まないと。