外見よりも中は広く、相当の数の本が棚にずらりと並んでいた。

 この中から見つけるのは容易じゃなくて、とりあえず、歴史とか地学とか関係ありそうなジャンルの棚を見てみる。

 古本屋、に相応しい古い本がならんたくさん並んであり、中には驚くほどの分厚い本もある。

 いろいろと見て回るけれど、やっぱりそんなに簡単に見つかるわけもなく、今日は諦めることにした。

 もしかしたら、私が知りたいことについて書いてある本なんてないのかもと思い始める。でも、それでも知りたいと思う気持ちは変わらない。

 他に、本がたくさんあるところってどこだろう。

 あっちの世界みたいに図書館なんてものはあるのかな。

「よしっ、花火買いに行くか」

「はいっ、そうですね」

 本のことは一旦忘れて、今日は花火を楽しむことに専念しなきゃ。

 せっかく、ヤクモさんが企画してくれた夏の終わりの思い出つくりなんだから。