「あれ、人間?」
聞き慣れた日本語が聞こえてくる。
声の主の方を見ると、すらっと長身で、着物を着て、今までに見た事のないくらい奇麗な顔をしている人がいた。つい、その美しさに目を奪われる。
でも、一つだけ気になることが。
頭についている動物の耳のようなものは一体……。
「もしかして、来ちゃったんだ?」
「来ちゃった?」
「ここ、妖の街で、人間界とは別の世界なんだけど」
「妖……?」
人間界、妖、慣れない言葉に頭が追い付かず、とりあえず頭の中を整理しようと息を大きく吸ってふうっと吐いた。
空を見ると奇麗な水色で落ち着く。
「んー、どうしようかなあ。このままだとちょっと厄介なことになるし……。カイのところにでも連れて行くか。一緒に来て」
この人のことは良く分からないけれど、とりあえず、このままじゃあどうにもならないし、とりあえずはついて行くしかないような気がする。
「……はい」
その人は、手を差し伸べて来た。
その手を握ると、ふんわりと柔らかい感触に心臓がどきっとしてしまう。それに、なんだか落ち着く。温かくて、冬の日のあんまんみたいな安心感。
「それじゃあ、行こうか」
聞き慣れた日本語が聞こえてくる。
声の主の方を見ると、すらっと長身で、着物を着て、今までに見た事のないくらい奇麗な顔をしている人がいた。つい、その美しさに目を奪われる。
でも、一つだけ気になることが。
頭についている動物の耳のようなものは一体……。
「もしかして、来ちゃったんだ?」
「来ちゃった?」
「ここ、妖の街で、人間界とは別の世界なんだけど」
「妖……?」
人間界、妖、慣れない言葉に頭が追い付かず、とりあえず頭の中を整理しようと息を大きく吸ってふうっと吐いた。
空を見ると奇麗な水色で落ち着く。
「んー、どうしようかなあ。このままだとちょっと厄介なことになるし……。カイのところにでも連れて行くか。一緒に来て」
この人のことは良く分からないけれど、とりあえず、このままじゃあどうにもならないし、とりあえずはついて行くしかないような気がする。
「……はい」
その人は、手を差し伸べて来た。
その手を握ると、ふんわりと柔らかい感触に心臓がどきっとしてしまう。それに、なんだか落ち着く。温かくて、冬の日のあんまんみたいな安心感。
「それじゃあ、行こうか」