「たこが大きくて、すごく食べ応えありましたね」

「そうでしょ? 夏祭りにしか食べられないからいつも食べるんだ」

「確かに兄さん、いつも必ずあそこのたこ焼きは食べてたな」

 たこ焼きを食べ終えると、一息つくために近くのベンチに座る。

 空を見ると、星が一面に輝いていて今までに見た事のないほどの星の数が目に入ってきた。

 まるでそれは星の絨毯のよう。

「わあ、星、奇麗」

「本当だな」

「そうだねえ」

 3人で空を見上げる。

 同じ景色をこうして共有できるって、なんだか素敵なことのように思える。

「そういえば、あと1時間くらいで花火の時間じゃないかな?」

「そうだな。花火の前に何かもう少し食べたいぜ」

「そうですね。たくさん美味しそうなものありますし」

 定番のものもいいけれど、さっきみたクッキーとかピザとか、洋風の食事も夏祭りという場所には新鮮で、食べたくなってしまう。

 あれもこれも食べたい。でも、そんなにたくさん食べられないし……。

「真由、次は何食べたい?」

「あ……えっと、ピザ、かな」

「おっ、じゃあまた3人で少しずつ食べるか」

「はいっ」