「わあ、すごいです」

 青色の、まるで常夏の島の美しい海のような色のゼリーと白いゼリーの二層のもの。

 食べるのには勿体なくて、家に持ち帰って飾りたいほど魅力的に感じる。

「これね、バタフライピーっていうハーブなんだけど、すごく奇麗でしょ? 食べ物に青色っていうのあまり見ないし。下の白い部分がレアチーズなんだ」

「すごく美味しそうです」

「うん、さっぱりして美味しいよ。ハーブ自体にはほとんど味ないしね」

 スプーンで一口分を掬って口の中に入れる。蜂蜜のような優しい甘さが広まる。

 お肉を食べた後にはちょうどよいさっぱり感で、これらなら何個でも食べられてしまいそう。

 勿体無いなくて少しずつ味わって食べるけれど、すぐに無くなってしまった。

「美味しかったです」

 初めて食べるものばかりだったけれど、全てに舌が満足した。

「うん、よかった」
 
 美味しいものを食べると、気持ちが晴れやかになる。嫌なものから一時的に解放される。

「ご馳走様でした」

「ご馳走様でした。じゃあ、目覚まし時計、買いに行こうか」

「はいっ」