どうしよう、でもそもそも私だってここに来たくて来ているわけじゃない。

 帰られるものなら1日でも早く帰りたい。

 それなのに……。

「真由ちゃん」

 ハトリさんの声で意識が返ってくる。私、今すごく弱気になっていた。

 こんなんじゃ、この先1年間という長い間ここにいることなんて出来ない。

「君は何も心配することないからね」

 あの時のように、ハトリさんが私の手を握る。

「ハトリさん……」

 心を軽くする言葉を掛けてくれるハトリさんだけど、私にはどうしてもさっきの言葉が心に引っかかる。

 何か良くないことが起きてしまっている、それだけは分かった。