「いらっしゃいませ」
とりあえず、お皿洗いや料理のちょっとしたお手伝いをすることになったけれど、家庭とは違って何をとっても量が多くそれなりに大変だった。
それでもなんとかカイさんの役に立ちたいと、体を動かす。
「あら? この子は?」
カウンター席に座った女の人が、私の顔をじいっと見てくる。
「ああ、ちょっと世話見ることになったんだ」
「あら、そうなの」
その人は、ハトリさん同様に美しいという言葉が似合う。
「可愛いわね」
目が合うと、にっこりと私に微笑みをくれて妖艶な声で話し掛けて来た。
「あ、ありがとうございます」
「私、スミレっていうの。あなたは?」
「真由です」
「良い名前ね。ところで、カイに変な事されていない?」
「おいおい、からかうなよ」
「あら、からかってなんかないわ。あ、そうだ。いつものハーブティーよろしく」
「了解」
カイさんは数あるハーブの中から迷うことなく1つを選び、ガラスでできたと透明のティポットでそれを淹れていく。
ラベンダーの香りと共に、奇麗な薄い紫色のハーブが出来あがった。
目を瞑ってその香りをかぐと、心がほっと落ち着いてくる。
まるで、そよ風の吹くラベンダー畑の中を歩いているような気分になる。
「ほい」
「ありがとう。…………ううん、相変わらず良い香り。これを飲まないと1日が始まらないのよ」
ハーブティーを飲む姿も妖艶で、同性の私でもその姿をまじまじと見てしまう。
ずうっと見ていると吸い込まれそうな感覚になって、カイさんに「おい」と話しかけられなければ意識がどこかにいってしまうところだった。
「真由さん、これから時間あるかしら?」
「なんでだ?」
「せっかくだし、一緒に街にでもどうかしらと思ったんだけど。まだこの街に慣れていないでしょう? 女同士で散歩もいいじゃない?」
「……まあ、スミレなら大丈夫か」
「あら、信頼してくれてありがとう」
どうやら、今日はスミレさんとお出掛けの1日になりそう。
とりあえず、お皿洗いや料理のちょっとしたお手伝いをすることになったけれど、家庭とは違って何をとっても量が多くそれなりに大変だった。
それでもなんとかカイさんの役に立ちたいと、体を動かす。
「あら? この子は?」
カウンター席に座った女の人が、私の顔をじいっと見てくる。
「ああ、ちょっと世話見ることになったんだ」
「あら、そうなの」
その人は、ハトリさん同様に美しいという言葉が似合う。
「可愛いわね」
目が合うと、にっこりと私に微笑みをくれて妖艶な声で話し掛けて来た。
「あ、ありがとうございます」
「私、スミレっていうの。あなたは?」
「真由です」
「良い名前ね。ところで、カイに変な事されていない?」
「おいおい、からかうなよ」
「あら、からかってなんかないわ。あ、そうだ。いつものハーブティーよろしく」
「了解」
カイさんは数あるハーブの中から迷うことなく1つを選び、ガラスでできたと透明のティポットでそれを淹れていく。
ラベンダーの香りと共に、奇麗な薄い紫色のハーブが出来あがった。
目を瞑ってその香りをかぐと、心がほっと落ち着いてくる。
まるで、そよ風の吹くラベンダー畑の中を歩いているような気分になる。
「ほい」
「ありがとう。…………ううん、相変わらず良い香り。これを飲まないと1日が始まらないのよ」
ハーブティーを飲む姿も妖艶で、同性の私でもその姿をまじまじと見てしまう。
ずうっと見ていると吸い込まれそうな感覚になって、カイさんに「おい」と話しかけられなければ意識がどこかにいってしまうところだった。
「真由さん、これから時間あるかしら?」
「なんでだ?」
「せっかくだし、一緒に街にでもどうかしらと思ったんだけど。まだこの街に慣れていないでしょう? 女同士で散歩もいいじゃない?」
「……まあ、スミレなら大丈夫か」
「あら、信頼してくれてありがとう」
どうやら、今日はスミレさんとお出掛けの1日になりそう。