「カイさんっ、あの、明日の朝早くちょっと出かけてもいいですか?」

 日が昇る時間と共にあのお婆さんと会ったところに出向こう。でも、会えるのだろうか。ぱあっと跡形もなく消えてしまったあの人に。

「俺も行く。真由1人にこれ以上重荷を掛けたくない」

「カイさん……」
 
 カイさんの声は、今までに聞いたことのないほどに落ち着いていて芯が籠っていた。

「……はい」

 だから、拒否できなかった。本当はもう迷惑なんて掛けたくない。自分1人で解決できるならば、そうしたい。