けれどある日、この何気ない幸せな時間は呆気なく崩れ去る。
人間をかくまっていたことがばれ、それだけならまだよかったものの、シドウを見た瞬間人間は恐怖の色に顔を染め、「来るなっ」と声を出してしまった。
シドウの表情は今でも覚えている。
全てを一瞬で凍らせてしまうかというような冷たい目に、空気が止まった。
両親と人間は連れて行かれ、何故か俺だけには手を出そうとはしなかった。
絶望に打ちひしがれ、俺は家で何も食べずに何日も過ごした。
その時、ハトリの親が俺のもとに訪ねて、手を差し伸べてくれた。
その日から、ハトリの家で暮らすようになった。
初めは、何も食べられなかった。食欲が湧くことはなく、だんだんと痩せていった。
その時、ハトリの父親がハーブティーを淹れてくれた。
それを飲むと涙が止めどなく出てきて、俺は声を上げて泣き続けた。
悲しい、その思いが溢れてきたのは事実だが、それよりもそのハーブティーを飲んだ時に感じた温かさに、固まっていた心が溶けていったんだ。
それからは食事も喉を通るようになり、ハトリの母親が作ってくれる和食に救われた。
とても優しい味がした。
両親の作る洋食はもちろん絶品だったが、ハトリの母親の作る和食もそれに負けないくらい心を満足させてくれた。
どんなに悲しくても、辛いことがあっても、そんな温かみのある料理を食べるとまた前を向かないとと思わせてくれたんだ。
人間をかくまっていたことがばれ、それだけならまだよかったものの、シドウを見た瞬間人間は恐怖の色に顔を染め、「来るなっ」と声を出してしまった。
シドウの表情は今でも覚えている。
全てを一瞬で凍らせてしまうかというような冷たい目に、空気が止まった。
両親と人間は連れて行かれ、何故か俺だけには手を出そうとはしなかった。
絶望に打ちひしがれ、俺は家で何も食べずに何日も過ごした。
その時、ハトリの親が俺のもとに訪ねて、手を差し伸べてくれた。
その日から、ハトリの家で暮らすようになった。
初めは、何も食べられなかった。食欲が湧くことはなく、だんだんと痩せていった。
その時、ハトリの父親がハーブティーを淹れてくれた。
それを飲むと涙が止めどなく出てきて、俺は声を上げて泣き続けた。
悲しい、その思いが溢れてきたのは事実だが、それよりもそのハーブティーを飲んだ時に感じた温かさに、固まっていた心が溶けていったんだ。
それからは食事も喉を通るようになり、ハトリの母親が作ってくれる和食に救われた。
とても優しい味がした。
両親の作る洋食はもちろん絶品だったが、ハトリの母親の作る和食もそれに負けないくらい心を満足させてくれた。
どんなに悲しくても、辛いことがあっても、そんな温かみのある料理を食べるとまた前を向かないとと思わせてくれたんだ。