門の前に着くと、中が騒がしいのが分かる。
どうしよう、間に合ってなかったら……。
背負われたまま敷地の中に入ると、すぐにシドウさんの姿が見えた。
「シドウさんっ」
「真由さん……ごめんね、僕の一族が。今、お仕置きをしようとしていたところだよ」
シドウさんの目の前にいる方が多分、私を指した人で怯えた目でこっちを見てくる。
「止めて、ください。私は大丈夫です」
「でも」
シドウさんの手を悪で染めてしまうようなことを望むはずがない。
「人間のことを恨む気持ち、分かります。きっととても苦しかったんだなって」
「でもね、僕は言ったんだ。真由さんには手出しをするなと。僕だって全てを許したわけじゃないさ。でも……」
「シドウさんがそう言ってくれるだけで私、十分です」
シドウさんの目から力が抜ける。
「真由さん……分かったよ。お前、今すぐ目の前から消えろ」
その人は私の顔を一度も見ずに何処かへともの凄いスピードで走って行ってしまった。
よかった、ほっとするのも束の間、ミコトさんの声が聞こえてくる。
どうしよう、間に合ってなかったら……。
背負われたまま敷地の中に入ると、すぐにシドウさんの姿が見えた。
「シドウさんっ」
「真由さん……ごめんね、僕の一族が。今、お仕置きをしようとしていたところだよ」
シドウさんの目の前にいる方が多分、私を指した人で怯えた目でこっちを見てくる。
「止めて、ください。私は大丈夫です」
「でも」
シドウさんの手を悪で染めてしまうようなことを望むはずがない。
「人間のことを恨む気持ち、分かります。きっととても苦しかったんだなって」
「でもね、僕は言ったんだ。真由さんには手出しをするなと。僕だって全てを許したわけじゃないさ。でも……」
「シドウさんがそう言ってくれるだけで私、十分です」
シドウさんの目から力が抜ける。
「真由さん……分かったよ。お前、今すぐ目の前から消えろ」
その人は私の顔を一度も見ずに何処かへともの凄いスピードで走って行ってしまった。
よかった、ほっとするのも束の間、ミコトさんの声が聞こえてくる。