「んっ……」

 目が覚めると背中に強烈な痛みが走って、顔が歪む。

 体が張り裂けそうな痛みに、声すら出ない。

「真由ちゃん……よかった、本当によかった。目覚めなかったらどうしようかと……。さあ、これを飲んで。痛みが治るから」

 白衣を着たハトリさんがいて、その隣には目を腫らしたヤクモさんがいる。

 ハトリさんから渡されたそれからはハーブのような匂いが漂ってくる。

 飲むと、本当にすうっと痛みが引く。

「私……」

「人間を嫌う奴に刺されたんだ。酷い、酷すぎる。真由がこの街を救ったのに」