夜、寝る前に短刀を確認したけれど、色は変わっていない。ただ、なんとなくこの前よりもピンクがかっているような……。

 あの玉の渦巻く物体を思い出すと、人間が動物たちにしたであろう残虐なことが頭に浮かんできて、胸が締め付けられる。

 人間を恨みたくなるのも、嫌いになってしまうのも無理はない。

 私だって…………嫌だった。皆、私の前からいなくなってしまえばいいって、そう思う時があった。

 小学生の頃に、虐められていたから。

 あの時の苦しみは今もなお心の中に残っていて、時々私の心を蝕む。

 学校なんか行きたくなくて、お母さんに体調不良と嘘を付いて休んで、そんな時飼っていた猫のダリアがいつも隣にいてくれた。

 にゃーって、まるで私のことを全て分かってくれているかのように、温もりをくれたんだ。

 ぎゅっとダリアを抱き締めると鼓動が伝わってきて、目の奥が熱くなって、涙と共に苦しみや悲しみが一緒に流れていってくれた。

 今は、幸運なことにいつも隣にいてくれる友達がいて、ダリアはもういなくなってしまったけれど、心穏やかな時間を過ごせている。    

 ダリア……この世界にいるのかな?  

 もしいるなら会って、ありがとうって言いたい。