「シドウさん」
「やあ、真由さん。今日はどうかした?」
「あ、あの……クッキーを焼いたのでぜひと思って」
「あら、嬉しい。どうせだし、2人で食べましょう。お茶を持って来るから待ってて」
この部屋に来るたびに、いつもシドウさんは何かしらのお茶を持ってきてくれるような……。
私の視線はあの花の絵に移る。やっぱり、これがキセキバナだったんだ。あの花の存在感を思い出す。すごく煌びやかで圧倒的存在感があって、不思議な花だった。
それに…………うちの家紋の花に似ている。
「お待たせ。これは……ああ、クリスマスがもう少しだったね」
「はい」
シドウさんはクッキーを置いて私の目をじっと見つめて話しだした。
「真由さん、僕は正直まだ人間のことが憎い。だけど、真由さんに関しては心を許せるよ。きっと、君の他にも他にも心優しい人間がたくさんいるんだろうね」
そう簡単に許してもらえなんて思っていない。でも、少しでもその気持ちが晴れたことに私は嬉しさを感じずにはいられない。
「もちろんです。でも……そうですね、人間同士でも憎み合うものですし、難しいですよね。全ての人を信じるのは」
「そうだね、まあ、少しでも成長できたってことでいいことにしよう」
シドウさんは頬を緩ませる。
「はい」
私もつられて、口元がにやける。
「やあ、真由さん。今日はどうかした?」
「あ、あの……クッキーを焼いたのでぜひと思って」
「あら、嬉しい。どうせだし、2人で食べましょう。お茶を持って来るから待ってて」
この部屋に来るたびに、いつもシドウさんは何かしらのお茶を持ってきてくれるような……。
私の視線はあの花の絵に移る。やっぱり、これがキセキバナだったんだ。あの花の存在感を思い出す。すごく煌びやかで圧倒的存在感があって、不思議な花だった。
それに…………うちの家紋の花に似ている。
「お待たせ。これは……ああ、クリスマスがもう少しだったね」
「はい」
シドウさんはクッキーを置いて私の目をじっと見つめて話しだした。
「真由さん、僕は正直まだ人間のことが憎い。だけど、真由さんに関しては心を許せるよ。きっと、君の他にも他にも心優しい人間がたくさんいるんだろうね」
そう簡単に許してもらえなんて思っていない。でも、少しでもその気持ちが晴れたことに私は嬉しさを感じずにはいられない。
「もちろんです。でも……そうですね、人間同士でも憎み合うものですし、難しいですよね。全ての人を信じるのは」
「そうだね、まあ、少しでも成長できたってことでいいことにしよう」
シドウさんは頬を緩ませる。
「はい」
私もつられて、口元がにやける。