「でも、仮に私がどっちが好きなのかが分かったとしても……私は人間です」

 私は、帰らなくちゃいけない。

 私の世界はこことは別の世界にある。

「とりあえず、今は今を楽しめばいいのよ。せっかくここにいるんだから。未来のことは誰にも分からない」

 確かに……そう言われるとここにいる時間を楽しまない理由なんてないし、好きだと思っても別にその思いを伝えるとかは考えていない。