カイさんの家に戻ると、ハトリさんやスミレさん、そしてヤクモさんの姿があった。

「皆さん……」

 皆の顔を見ると、どっと安堵の波が押し寄せてくる。

「よく分かんないけど、真由のおかげでこの世界が守られたんだろ?」

「本当にありがとう、真由ちゃん。私、なんだか感動しちゃったわ」

「そうだねえ、僕もだよ」

 皆で話していると、ポンとなにかが頭に乗っかってそれを確認しようと後ろを向いたらカイさんがいた。

「本当によくやったな」

 窓から見える、どこまでも澄んだ水色の空が本当に終わったんだと言うことを示していて、眼頭が熱くなってくる。

「……カイさん……」

 ぽんぽんと、大きな手が私の頭を撫でる。

 ああ、この気持ち。まただ。心臓が早く動いて苦しくて、カイさんの顔を見れなくなる。

 でも、キキョウさんにも同じ思いを抱いていて……。

 私、おかしいよ。

「真由ちゃん、今度女同士で話しましょ?」

 耳元でそうスミレさんが呟く。

「えっ、あ、あの」

 スミレさんには私の気持ちはお見通しのようで、それに対して恥ずかしさが込み上げてきた。

「真由? 顔赤いぞ? 熱でもあるのか?」

「え、いや、あの」

「あ、そうだ。そろそろクリスマスだし、クリスマスパーティーやろうぜ!」

「そうだねえ。いいかも」

「だな。カフェを早めに終えてそこでやるか」

 クリスマス……やっと何かを心から楽しめる気持ちを取り戻すことができて、今からそのパーティーが待ち遠しい。

 それより私はやっぱり恋をしてしまったの?

 でも、どっちに?