「真由ちゃん、大丈夫?」

 ハトリさんは白衣を着ていた。

 そうだ、ハトリさんはお医者さんだったっけ。

「はい、ちょっと寝不足で……」

「たくさん食べてたくさん寝て適度に動く。健康にはこれが1番だからね?」

「……はい。本当に、迷惑をかけてしまって……」

 ハトリさんは私の口元に指を置く。

 そして、首を横に振る。

「そんなことないよ。僕だって真由さんの立場なら多分同じことをすると思う」

「そうだぞ、真由。俺にも相談して欲しかったぜ」

 ヤクモさんまで来てくれて……、皆が私のためにこの場にいるということに感謝しかなかった。

「それにしても、あの野郎は何を考えるんだ?」

「シドウさんの考えなんて、きっと一生理解できないと思います。というより、何も考えてないのかもしれません。思いついたままに行動する、そらがシドウさんですから。いや、悟られないほど綿密に考えているのかも……」

「それは厄介だわ」
 
 とにかく、私は私のやるべきことをやるしかない。