「で、何故俺の家に……」

「側にいるって、言ったじゃないですか」

 カイさんの家にキキョウさんの姿。

 私の側にいる、とその言葉通り宴の後に3人で共にここに帰ってきた。

 まさか本当に物理的に側にいるという意味だったとは思わず、私も正直目が丸くなっている。

「そりゃそうだが……学校は?」

「学校は行きます。食費その他諸々はお支払いしますので」

 キキョウさんは、何か問題でも? と言いたげな表情をして話し続けている。

 でも、それはキキョウさんのわがままなんかじゃなくて私のためで、カイさんもそれは分かっている。

「いや、それは構わんのだが……」

「と、とにかくご飯にしませんか? お昼も食べてないですし」

 時計の針は5時を指している。

 朝に食べたい以来何も口にしていないから、そろそろ空腹に限界がきそうだった。

「そうだな。とりあえず……キキョウには真由の隣の空き部屋で暮らしてもらうか」

「ありがとうございます」