「大丈夫? 真由さん」

「うん……ありがとうございます、助けてくれて」

「嫌な予感がしてたんだ、ずっと」

 キキョウさんの私を握る手が震えていて、私はその手を握られていない別の手で包み込む。温かくて優しい手。きっと、宴の場に来るのだって相当の覚悟が必要だったと思う。

 私の為に来てくれたキキョウさんを、とても愛しく感じる。

「絶対に見付けます。なんとしてでも」

「1つだけ、不確かだけど情報がある。キセキバナの種は当てずっぽうに探しても見つからない。種の在りかを示すものが存在するって。ただ、それがなんなのかが分からないんだ」

「種の在りかを示すもの……」

 なんだろう……全く思いつかない。

「僕ももっと調べてみるよ」

「本当に、ありがとうございます」