宴の日はすぐに来た。

「じゃあ真由は皿とか並べるの手伝ってくれ」

「はいっ」

　2度目のお屋敷。まだシドウさんにもキキョウさんにも会ってはいなく、私は厨房にいる。広すぎる厨房には、様々な調理器具が揃っていて、中には見た事のないものまであった。

　この前と違って忙しい雰囲気で、バタバタと屋敷の中を走る音が聞こえてくる。

　宴……どんなふうに行われるのか、想像できない。

「こんにちは」

　着物を着た1人の女の人が厨房に入って来た。

「今日はよろしくお願いします。ところで、何か手伝えることがあったらうちの専属のシェフに声をお掛けください。今から連れてきますので」

「はい、ありがとうございます」

　カイさんは早速料理の準備に取り掛かる。私も、野菜を洗ったりと簡単な作業を行う。

　料理に関することは、それくらいしか出来ないから。

　少しすると、また人が訪ねてきた。

「失礼します」

　今度は男の人と、さきほどと違う女の人の声が聞こえてきた。多分、さっきの人が言っていたシェフだと思う。

　カイさんも一旦手を止めてその人たちの方を見る。

　一瞬で、カイさんの表情が変わった。

「父さん、母さん……？」

「もしかして……カイか？」

「ああ……」

　まさかの展開に私は口がぽかんと開く。

　カイさんの、両親との再会。