キキョウさんは笑っている。そのせいか、何を考えているのかが全く読めなくてたじろぐ。
「大丈夫。僕は人間のことを恨んでいない」
そう言えば、アヤメさんもそんなことを言っていたのを思い出す。
「災いのこと、知りたいんでしょう? そしてそれを終息させる方法」
「は、はい」
「とりあえず、僕の部屋来て」
キキョウさんは私の方に手を差し伸べて来た。戸惑いつつも、その白くて長い指を持つ手を握る。
意外と温かい。勝手な想像で冷たいものばかりだと思っていたから、その温度に緊張して固まっていた心が少しだけほぐれる。
改めてキキョウさんの横顔を見る。
同い年くらいなのに醸し出される雰囲気が私とは全く異なって大人っぽくて、ずっと見ていると目がこっちを向いた。
その瞬間、どくんと心臓が鳴る。
変だよ私。カイさんだけじゃなくて、キキョウさんにもこんな気持ちを抱いてしまうなんて……。
「大丈夫。僕は人間のことを恨んでいない」
そう言えば、アヤメさんもそんなことを言っていたのを思い出す。
「災いのこと、知りたいんでしょう? そしてそれを終息させる方法」
「は、はい」
「とりあえず、僕の部屋来て」
キキョウさんは私の方に手を差し伸べて来た。戸惑いつつも、その白くて長い指を持つ手を握る。
意外と温かい。勝手な想像で冷たいものばかりだと思っていたから、その温度に緊張して固まっていた心が少しだけほぐれる。
改めてキキョウさんの横顔を見る。
同い年くらいなのに醸し出される雰囲気が私とは全く異なって大人っぽくて、ずっと見ていると目がこっちを向いた。
その瞬間、どくんと心臓が鳴る。
変だよ私。カイさんだけじゃなくて、キキョウさんにもこんな気持ちを抱いてしまうなんて……。