「あら、ハトリ」 
 
 スミレさんがタイミングよく戻ってくる。

「なんだ、スミレもいたのか」

「今日はガールズトークしてたの、ね、真由ちゃん?」

「えっと、その……はい」

「ガールズトーク? なんだか楽しそうだね」

「そうね、すごく楽しかったわ」

 そうだ、私カイさんのこと……。思い出すとまた顔が火照ってきて、必死にその熱を下げようと両手で自分の顔を仰いだ。

 どうしよう、この調子じゃカイさんの顔を見られない。

 絶対によそよそしい態度になってしまって、カイさんに不審がられてしまう。

「それじゃあ、真由ちゃん、土曜日迎えに行くよ」

「はい、よろしくお願いします」