5分ほどが経過しただろうか。

 再びヤクモさんが姿を見せる。

「いいって。それで、いつがいい? 俺もついてった方がいいか?」

「あ、えっと……」

「僕がついて行くから大丈夫だよ。キキョウくんだろ?」

「兄さん」

「ハトリさん」

 いつからここにいたのだろう、空気のようにこの場に同化していたのだろうか、全然その気配に気が付かなかった。

「まさにキキョウだよ。兄さんがついていくなら大丈夫だね」

「じゃあ、今度の土曜日の午後にしようか。僕も仕事休みだし」

「はい、お願いします」

「じゃあ、キキョウにそう伝えておくよ」

「ありがとうございます」

 ヤクモさんは再び家の中に戻って行く。そういえば、何処かに行く途中だったような? 邪魔、しちゃったかな。

「カイから話は聞いてるよ。災いについて調べているんだよね?」

「……はい。災いを終息させたくて……」

「そう。……そうだね。多分、最近起きている大雨や地震も災いが原因だ。僕は災いについてはほとんど知らないけど……僕に出来ることがあればなんでもするから言ってね」

「本当に、いつもありがとうございます」

 カイさん、ハトリさん、スミレさん、ヤクモさん、本当に本当に感謝しかない。