神社から歩くこと数分、スミレさんはある家の前で歩みを止める。
カイさんの家とは違って洋風の可愛らしい家が建っている。
お庭には花が咲き誇り、その空間を鮮やかに染めていた。
「ここよ」
インターホンを押そうとした時、ちょうど中から音がして人が出てくる。
その人物は、知っている顔で。
「あれ、真由?」
「こ、こんにちは」
「私は近くを散歩してくるわね」
「すみません」
スミレさんに要らぬ気を遣わせてしまった。
「どうしたんだ?」
「あの、この前話してたヤクモさんの友達のことなんですけど……ぜひ会いたいなあと思って」
「ああ、あの屋敷のな。多分いいと思うけど、一応聞いてみるからちょっと待っててくれ」
「はい、ありがとうございます」
会いたい、って言ったら何か聞かれるかもしれないと思ったけれど、特にそんなこともなく話は川が流れるが如くスムーズに進んだ。
返事を待っているこの時間、妙に緊張して自分の心臓の音が大きく耳に入ってくる。
もし断られたらどうしよう。
それに、実はものすごく恐ろしくて人間を殺したいほどに恨んでいる人だったら……。でも、今更後戻りはできない。それに、前に進む以外の選択肢は私にはない。
カイさんの家とは違って洋風の可愛らしい家が建っている。
お庭には花が咲き誇り、その空間を鮮やかに染めていた。
「ここよ」
インターホンを押そうとした時、ちょうど中から音がして人が出てくる。
その人物は、知っている顔で。
「あれ、真由?」
「こ、こんにちは」
「私は近くを散歩してくるわね」
「すみません」
スミレさんに要らぬ気を遣わせてしまった。
「どうしたんだ?」
「あの、この前話してたヤクモさんの友達のことなんですけど……ぜひ会いたいなあと思って」
「ああ、あの屋敷のな。多分いいと思うけど、一応聞いてみるからちょっと待っててくれ」
「はい、ありがとうございます」
会いたい、って言ったら何か聞かれるかもしれないと思ったけれど、特にそんなこともなく話は川が流れるが如くスムーズに進んだ。
返事を待っているこの時間、妙に緊張して自分の心臓の音が大きく耳に入ってくる。
もし断られたらどうしよう。
それに、実はものすごく恐ろしくて人間を殺したいほどに恨んでいる人だったら……。でも、今更後戻りはできない。それに、前に進む以外の選択肢は私にはない。