そういえば、と思い出す。

「あの、スミレさんはヤクモさんの家知ってますか?」

「ええ、知ってるわよ」

「私……ヤクモさんに会いたくて」

「そうなのね、分かったわ。今から会いに行く?」

「はい」

 神社を出る時も一礼をして、この場を後にした。