転生先は回復の泉の中~苦しくても死ねない地獄を超えた俺は世界最強~

 「エルビスよぉ、こんな時間まで子どもがふらつくのは感心しないぞ。あとその輝く剣はなんだ」

「武器屋でかった剣なんですけど、さっきまで錆びてたのに急にサビが取れたんです」

「お前は、いつもよくわからんことをするなぁ、その剣マジでいいな明るいし松明いらずじゃないか」

「そうですね……取り敢えずオークの素材は、闇魔法に収納しときますね」

「ホント便利だなその魔法。俺も欲しいぜ」

羨ましそうに俺の剣を見るカインさんと一緒に山を登り自分の村を見ると激しく明かりが動いている。どうしたんだ?何かあったのか?そう思い急いで駆け下りる。村の門に着くと声が聞こえた。

「エルビスがいたぞ! エルビス今まで何してたんだ! おや、カインさんが見つけたんですね。良かったです」

門の前で警護していたおじさんがそう言った。確かに俺はゴブリンやオークの血を浴びてかなり汚れている。遠くから俺を呼ぶ声が聞こえる。シルヴィだ。

シルヴィはとたとたと俺のところまで駆け寄って来た。

「エルビス~よがっだよ~なんでどっがいじゃうの~もういがないっていったのに~」

シルヴィは涙で顔をぐちゃぐちゃにしながら俺に抱きついた。うん、何言ってるかわからんけど心配させてしまったようだ。

「ごめんなシルヴィ、リナーズの街に行ったら予想以上に時間がかかちゃってごめんな」

そう言うとシルヴィは驚いた顔をする。元々自分が住んでいた町の名前が出たからだろう。驚いた顔をするシルヴィに俺は買ってきたお土産を渡す。

「これシルヴィに買ってきたんだ。貰ってほしい」

そう言うと目に溜まった涙を拭き満面の笑みでシルヴィは頷いた。

「ありがとーエルビス、そのね.....これ!一生大事にするから!」

そう言って頬を染めシルヴィは走り去っていった。

「やるな……エルビス。この女ったらしめ」

カインが俺の背中を叩いて面白そうに笑う。そんな馬鹿な……前世の俺は女ったらしなんて言葉とは無縁の存在だったのに……

シルヴィの次に俺のもとに来たのは、ゼオンさんだ。体中を汗でべとべとにしながらこちらに来る。

「エルビス君! 心配したんだ。街まで行くのはいいが魔物が増える夜まで出歩くのは感心しない! ちゃんと帰ってきなさい」

一通り説教をするとゼオンさんは立ち去った。

「お前愛されてるな。領主に説教されるなんてなかなかレア体験だぞ。俺も説教されたい……あぁマリアさんいいよなぁ」

「貴族じゃないなら諦めたほうが良いのでは?」

「何いってんだ? 俺は貴族の家の出身だぞ? 婿入りならチャンスがあると思うんだ」

「っていうかカインさんとマリアさんの年齢だいぶ離れてますよね……厳しいんじゃ?」

「俺はまだ25だ。8歳くらいなら許容範囲だろ?」

え……カインさん25? うっそ! 30超えてると思ってた。意外と若いのか。

「さあ、家に帰るぞ。俺はお前の家の居候だからなちゃんと連れ帰らないとな」

家に帰ってすぐに風呂に入り体の血を洗い流す。ベタベタと体に付いた血が流れ落ちる。少し楽しい。

血を洗い流した頃浴場の外に誰かいる気配がするのを感じた。まぁシルヴィだな。なんだろう?

「エルビス~着替え持ってきたから置いとくね~」

シルヴィがそう言った。ありがたいそういえば浴場に直行したので、着替え持ってきてなかった………………なんでシルヴィがうちにいるんだよ!

シルヴィは立ち去るかと思ったが立ち去らないなんでだ?そう思っているとシルヴィの声がする。

「エルビス、一緒に入っていい? 今日は一緒に遊べなかったから」

だんだん声が小さくなっていく。恥ずかしいなら言わなきゃ良いのに.....だけど幼女の裸を見てもさほど興味は沸かない

「良いぞ! 俺はシルヴィの裸には興味はないからな」

シルヴィが恥ずかしそうにお風呂に入ってくる。

「ところで私の裸に興味がないってどういう事?」

冷たい目で俺を射抜くシルヴィ、なんか肌寒いな……誤魔化しておこう。

「シルヴィは将来すごい美人になると思う! だから今じゃなくて将来悩殺してくれ!」

だめだ、こんな適当なことを言っても……あれ、効果あった? 顔を赤くして、もじもじしている。これがチョロイン!

シルヴィが俺の隣に来た。

「将来エルビスの鼻血が止まらないようなナイスバディになるから!」

そう言うと走り去った。風呂に入るんじゃなかったのか? 結局何をしに家にいたんだろうか?

翌日
シルヴィがうちに来た。

「エルビス.....なんかエルビスのくれたお守り持ってると力が抜けるんだけどこれどう言うお守りなの?」

黒錬金術のお守りが効かない?スキルと魔術の組み合わせが悪いのか?俺にはしっかりと効果があったが? 
どういうことだ?