サクッと反省したところで、兄ゲルトの件だ。
兄ゲルトは、属性鑑定の結果、騒動に巻き込まれて、父・母が守りきれなかった。そこに魔術省が関わっている。
侍女情報の特待生で魔術学校に所属している件が、これに繋がっているのだろう。
ゲルト兄さんに未だ会えない理由もここだな。
なんとなくだが、俺は騒動に巻き込まれない気がする。祖父の対応もそうだが、最強運が良いように作用しそうだ。
で、俺が注目したいのが『魔法都市国家リンネ』だ。
情報が遠い場所とだけだが、名前の通り魔法に精通しているのだろう。
魔道具なども多く作製していそうだな。
行くのが楽しみだ!
魔法と言えば、叔父の『守り』の魔法だ。
この世界の魔法は、大雑把に言えばイメージ。
同じ魔法名でも多種あり、その効果は色々だ。
例えば『癒し』なら、麻痺や毒など状態異常の完治も、怪我などの緩和や全快も同じ名前である。
術者のイメージによって、魔法は行使され、効力は魔法Lvと魔力による。
怪我の全快をイメージして『癒し』を行使しても、術者の魔法Lvや魔力が低ければ、怪我の緩和になるんだそうだ。
叔父の『守り』は、魔法を阻害するものだ。まぁ他にも使えるんだと思う。
ということで叔父を鑑定して見よう!
興味本位だが、叔父のスキル等はすごそうなので、鑑定眼を使用する。
叔父に『鑑定眼』と念じる。
「ん?」
「どうした? ヴィリバルト」
「今、魔力が動いた」
魔力を感じるんですか、叔父様!
やばい。見えてないが、叔父が俺をすごく見ている気がする。
叔父こわいです。
こわい。こわい。こわい。この人こわい。
赤ん坊になってから、感情の起伏が激しい。
少しでも、不安などを感じると、泣きたくなる。いや泣く。
赤ん坊の防衛機能だ。もう制御不能です。
「ぅうっうぎゃあぁーーうんぎゃーあぁーーーー」
「あらあら、ジークがこんなに泣くなんて珍しいわね」
幸せの国が迎えにきましたが、中々落ち着きません。
一旦、泣き出すと満足するまで泣き続けます。
「あぁーー、失敗した。嫌われたかな」
「お前がこわい顔してジークを見るからだろ」
「魔力の痕跡を探っていたんですよ。ジークの周辺に散らばっていたのでね」
「わかったのか」
「はい。犯人は扉の向こうにいます」
叔父が言葉を発した後『ガチャ』と扉が開く音がした。
「マリアンネ! テオバルト!」
「お「父様、ごめんなさい」」
「テオ『報告』の魔法を使ったね」
「ヴィリー叔父様、私がお願いしたの。ごめんなさい」
「マリー姉様は悪くない。僕が勝手に使ったんだ」
少し落ち着きました。
姉さん、兄さんナイスです。
助かった。まじで助かりました。
俺の『鑑定眼』と、テオ兄さんの『報告』が、同時期に使用されたのだと考える。
まさか叔父が、魔力を感知するなんて、想像していなかった。
しかも使用した魔法を特定できるとは、驚きだ。
鑑定眼を使用したの……バレてないよね。スキルだからバレてないよね。
「マリー、テオ、怒っているわけではないんだよ。『報告』の魔法を使った理由を教えてくれるかな?」
「ヴィリー叔父さんごめんなさい。ゲルトと同じようなことだけは、ジークには絶対させたくなかったんだ。ゲルトは、五歳で強制的に魔術学校に入学した。入学年齢を満たしていないのに特例だと、父様たちが邪魔できないよう公表までして。しかも優秀な魔術師の育成のためと入寮を促し、屋敷にはほとんど帰さない。今は喜んで勉強や研究をしているけど、当時は母様に会いたいってよく泣いていたんだ。ただ上級属性の雷を所持しただけで、家族と離されて、孤立させるなんて、可哀想だ。だから僕、悪いことだと分かっていたけど『報告』を使って、ジークの属性を確認したかった」
「お父様は魔属性を公表しないとおっしゃっていたわ。でも先生方が大変期待されていたの。また魔術学校に特待生が現れるんじゃないかと。強制的に鑑定師を派遣する可能性も示唆していたの。だから鑑定結果を聞いて、もし上級属性を所持していたら、お父様を説得しようと話しあったの。でもアル兄様はその必要はないと賛成してくれなかった。お父様たちが、守るから大丈夫だと。私でも心配で」
「二人ともジークを心配してくれたのね、嬉しいわ。でも大丈夫よ。お父様やヴィリーが必ず守ってくれるわ。だから安心してね」
「お「母様、ごめんなさい」」
兄さんっ! 姉さんっ!
感激して言葉がでない。ありがとう!
今世もいい家族に囲まれて、俺はすごく幸せです。
「――ということですよ、兄さん」
「うむ」
「子供たちは、ずいぶん優しく成長したね」
「あぁそうだろう。自慢の子供たちだ」
「だけど、それとこれは別よ」
「義姉さん、いいのですか子供たちをほっておいて」
「今はジークに夢中だからいいの。あの子たちには罰が必要よ」
「リア」
「ダメよ、ギル。優しさをはき違えたら。あの子たちはまだ子供。大人に守ってもらう必要があるの。ゲルトのことは、私たち大人の失態よ。子供たちに心配させたことは反省しなければならないわ。だけど、あの子たちが、大人の話に首を突っ込んだことは別よ。いつでもいい話で終わるとは限らないわ。恐いこともあると教えなければならないの」
「義姉さんに賛成! その役目、私に任せてくれないかい? もちろん無理はさせないけど、二度と同じことはしないと後悔させるよ」
「あら? どういった内容かしら」
大人たちが、着々と罰計画を立てているのを、兄さんたちはまだ知らない。
兄ゲルトは、属性鑑定の結果、騒動に巻き込まれて、父・母が守りきれなかった。そこに魔術省が関わっている。
侍女情報の特待生で魔術学校に所属している件が、これに繋がっているのだろう。
ゲルト兄さんに未だ会えない理由もここだな。
なんとなくだが、俺は騒動に巻き込まれない気がする。祖父の対応もそうだが、最強運が良いように作用しそうだ。
で、俺が注目したいのが『魔法都市国家リンネ』だ。
情報が遠い場所とだけだが、名前の通り魔法に精通しているのだろう。
魔道具なども多く作製していそうだな。
行くのが楽しみだ!
魔法と言えば、叔父の『守り』の魔法だ。
この世界の魔法は、大雑把に言えばイメージ。
同じ魔法名でも多種あり、その効果は色々だ。
例えば『癒し』なら、麻痺や毒など状態異常の完治も、怪我などの緩和や全快も同じ名前である。
術者のイメージによって、魔法は行使され、効力は魔法Lvと魔力による。
怪我の全快をイメージして『癒し』を行使しても、術者の魔法Lvや魔力が低ければ、怪我の緩和になるんだそうだ。
叔父の『守り』は、魔法を阻害するものだ。まぁ他にも使えるんだと思う。
ということで叔父を鑑定して見よう!
興味本位だが、叔父のスキル等はすごそうなので、鑑定眼を使用する。
叔父に『鑑定眼』と念じる。
「ん?」
「どうした? ヴィリバルト」
「今、魔力が動いた」
魔力を感じるんですか、叔父様!
やばい。見えてないが、叔父が俺をすごく見ている気がする。
叔父こわいです。
こわい。こわい。こわい。この人こわい。
赤ん坊になってから、感情の起伏が激しい。
少しでも、不安などを感じると、泣きたくなる。いや泣く。
赤ん坊の防衛機能だ。もう制御不能です。
「ぅうっうぎゃあぁーーうんぎゃーあぁーーーー」
「あらあら、ジークがこんなに泣くなんて珍しいわね」
幸せの国が迎えにきましたが、中々落ち着きません。
一旦、泣き出すと満足するまで泣き続けます。
「あぁーー、失敗した。嫌われたかな」
「お前がこわい顔してジークを見るからだろ」
「魔力の痕跡を探っていたんですよ。ジークの周辺に散らばっていたのでね」
「わかったのか」
「はい。犯人は扉の向こうにいます」
叔父が言葉を発した後『ガチャ』と扉が開く音がした。
「マリアンネ! テオバルト!」
「お「父様、ごめんなさい」」
「テオ『報告』の魔法を使ったね」
「ヴィリー叔父様、私がお願いしたの。ごめんなさい」
「マリー姉様は悪くない。僕が勝手に使ったんだ」
少し落ち着きました。
姉さん、兄さんナイスです。
助かった。まじで助かりました。
俺の『鑑定眼』と、テオ兄さんの『報告』が、同時期に使用されたのだと考える。
まさか叔父が、魔力を感知するなんて、想像していなかった。
しかも使用した魔法を特定できるとは、驚きだ。
鑑定眼を使用したの……バレてないよね。スキルだからバレてないよね。
「マリー、テオ、怒っているわけではないんだよ。『報告』の魔法を使った理由を教えてくれるかな?」
「ヴィリー叔父さんごめんなさい。ゲルトと同じようなことだけは、ジークには絶対させたくなかったんだ。ゲルトは、五歳で強制的に魔術学校に入学した。入学年齢を満たしていないのに特例だと、父様たちが邪魔できないよう公表までして。しかも優秀な魔術師の育成のためと入寮を促し、屋敷にはほとんど帰さない。今は喜んで勉強や研究をしているけど、当時は母様に会いたいってよく泣いていたんだ。ただ上級属性の雷を所持しただけで、家族と離されて、孤立させるなんて、可哀想だ。だから僕、悪いことだと分かっていたけど『報告』を使って、ジークの属性を確認したかった」
「お父様は魔属性を公表しないとおっしゃっていたわ。でも先生方が大変期待されていたの。また魔術学校に特待生が現れるんじゃないかと。強制的に鑑定師を派遣する可能性も示唆していたの。だから鑑定結果を聞いて、もし上級属性を所持していたら、お父様を説得しようと話しあったの。でもアル兄様はその必要はないと賛成してくれなかった。お父様たちが、守るから大丈夫だと。私でも心配で」
「二人ともジークを心配してくれたのね、嬉しいわ。でも大丈夫よ。お父様やヴィリーが必ず守ってくれるわ。だから安心してね」
「お「母様、ごめんなさい」」
兄さんっ! 姉さんっ!
感激して言葉がでない。ありがとう!
今世もいい家族に囲まれて、俺はすごく幸せです。
「――ということですよ、兄さん」
「うむ」
「子供たちは、ずいぶん優しく成長したね」
「あぁそうだろう。自慢の子供たちだ」
「だけど、それとこれは別よ」
「義姉さん、いいのですか子供たちをほっておいて」
「今はジークに夢中だからいいの。あの子たちには罰が必要よ」
「リア」
「ダメよ、ギル。優しさをはき違えたら。あの子たちはまだ子供。大人に守ってもらう必要があるの。ゲルトのことは、私たち大人の失態よ。子供たちに心配させたことは反省しなければならないわ。だけど、あの子たちが、大人の話に首を突っ込んだことは別よ。いつでもいい話で終わるとは限らないわ。恐いこともあると教えなければならないの」
「義姉さんに賛成! その役目、私に任せてくれないかい? もちろん無理はさせないけど、二度と同じことはしないと後悔させるよ」
「あら? どういった内容かしら」
大人たちが、着々と罰計画を立てているのを、兄さんたちはまだ知らない。