「どうしたんだい?会社は、もう終わったのかい?」
「あ、いえ……早退して……」
言いにくそうにしていると様子に気づいたのかドアを開けたままにして
「とりあえず営業前だけど中に入りなよ?
寒いし、話なら中で聞くから」
そう言って店の中に入れてくれた。
申し訳ないと思ったがお礼を言い中に入ることにした。
奥の畳み席に座るとお茶を出して貰い店長にワケを話した。
何故か店長には、素直に事情を全て話すことが出来た。
「そうか……そんな事があったのか。
なら、なおさら誤解を解かないとならないな!」
「……誤解解けるでしょうか?」
不安になりながら尋ねた。
もしかしたら逆に怒らせるだけかも知れない。
怖い……。すると店長が笑顔を見せてくれた。
「櫻井さんは、鬼じゃない。きちんと説明をしたら大丈夫だ!
俺は、君を応援するさ」
「……はい。ありがとうございます」
何て心強いのだろうか。課長……来て欲しい。
メール見てくれたのだろうか?
だが、しばらく待っていたがなかなか来なかった。
遅い……。やっぱり来てくれないのだろうか?
ますます不安になり落ち込んでしまう。
「まだ残業かも知れないから気にするな 」
店長は、そう言いながら軽めの冷やっこや
小さな小鉢に入った肉じゃがなどを出してくれた。
「……ありがとうございます」
お礼を言うが不安のままだった。
それから20分後。課長が息を切らしながらお店に入ってきた。
「櫻井課長……」