「何だ?それだけでは不満か?
何なら旅行に一緒に行くっていう条件を付けてもいいんだぞ?」
「いえ、とんでもございません。ありがとうございます!」
慌ててお礼を言った。危ない、危ない。
何で社長と不倫旅行に行かないとならないのよ!?
まったく。どさくさに紛れて……。
「チェッ……まぁ、もうお前の自宅謹慎なんて
どうでもいいんだけどな」
はぁっ?ちょっと。人の人生がかかっているのに
どうでもいいってどういう事よ!?
社長の言葉に腹を立てた。
「社長……失言ですよ?」
「まぁまぁ、怒るなよ!
お前と普段と変わらずに一緒に居るから、どっちでも良くなっただけだ。
何ならこのままでも悪くない。いや、もう
この際、同棲でもするか?」
そう言いながら覆い被さってきた。
ちょっと何で同棲の話になるのよ!?
あなたが良くても私が困ります。生活があるのに…。
それに奥さんにどうやって説明するのよ!?
「嫌ですよ!」
「チェッ……残念。あ、そうそう。
お前が居ない間に代わり来た奴をそのまま第二秘書にしておいたから。
復帰したとしても2人で協力してやってくれ」
社長は、首筋にキスをしながらさらりと、どんでもない発言をしてきた。
はぁっ?その言葉に私は、一瞬硬直をした。
そうだった……。
私の代わりを誰がやっているのだろうとは、思っていたけど……。
まさか新しい第二秘書をつけるだなんて!?
「誰なんですか!?私の代わりって……。
しかも第二秘書だなんて聞いていませんけど!!」
まさか、若い美人の女性だったらどうしよう。
セクハラ社長の事だ。手なんか出していたら……私の二の舞だわ。
「心配するな男だ。これが、またなかなか優秀な奴だ!」