「いえ………」

「田所。あまり夏希にちょっかいをかけるなよ?
夏希は、俺のモノなんだから」

 田所様に文句を言ってきた。
ちょっと私は、あなたのモノではないですよ?社長………。

「はいはい。ってか…お前ら一体どこまで行ったんだよ?」

 すると田所様は、突然そう言って質問をしてきた。
ギクッと肩が震えた。そ、それは……。
 どう説明したらと思っていいのだろう?しかし

「そりゃあ、俺と夏希は……すでに」

「ただの秘書と社長の関係です!」

「おい、夏希」

「社長は、黙ってて下さい。話しがこじれますから」

 ニコッと微笑みながら諫める。
ややこしいことを言われる前に慌てて話に割り込んだ。
 危ない、危ない。
田所様は、そんな私達を見てクスクスと笑ってきた。

「アハハッ…いいねぇ~2人共。夫婦漫才みたいで面白い」

「おい、そこ笑うなよ!?」

「いや~お前にそこまで言える子って初めてみたよ?
 頼もしいね。さて、渡す物も渡したし
お邪魔になる前に帰るとするよ!」

ニヤリと笑うと田所様は、そのまま立ち上がると帰ってしまった。
 彼は、不思議な人だ。物腰は柔らかいが、ひょうひょうとしていて掴み所がない。
 でも、社長と同様でかなりのやり手らしい。
それが気に入らないのか田所様が帰ると社長が文句を言ってきた。