「社長……まだ決めるには、早いですよ!?
何カップしか聞いていない」
「何を言うか。それ以上に聞くことがあるか。
採用だ。君に決めた!」
まさに運命だった。俺は、すぐに採用だと指示を出した。
それから彼女は、秘書として働く事になったのだが
まずは、秘書課で経験を積ませることにした。
そして、のちに俺の専務秘書にさせた。
もちろん陰ながら、それを見守っていた。
やっと専務秘書になった頃には、彼女は、スキルを身に付けていた。
思った以上に良くできた女性だった。
頭の回転も良くて、ハキハキと答える。
しかし、たまに俺の左薬指にはめている指輪を見て
切なそうな表情をしていた。
どうやら俺を既婚者だと思っているらしい。
これは、亡くなった父の形見で俺は、独身なのだが……うん?
これって、もしや絶好のチャンスなのでは!?
俺は、慌ててデスクの引き出しからDVDを出した。
俺の愛用DVD……秘書と社長の秘密のオフィス。
秘書と社長の愛人関係という最高のシチュエーションにも憧れていた。
いい……このまま既婚者社長に決め込んで愛人関係を成立させよう。
そして、いずれ結婚して妻に。
妻と愛人のシチュエーションを一度に二度も楽しめるなんて
棚からぼた餅……いや。棚から札束が落ちてきたようなものだ。
俺の脳内は、愛人としてのムフフなシチュエーションでいっぱいだった。
まずは、アピールして俺で頭がいっぱいにさせて
それから一気に愛人に持ち込むぞ。
愛人ライフを満喫したら次は、プロポーズして結婚。
よしよし。俺って……頭がいい。
ルンルン気分で、そんな事を考えていた。
それからと言うもの。
「社長。やめて下さい。セクハラですよ!!」
「何を言うか……大事なコミュニケーションじゃないか」
「コミュニケーションとセクハラは、違いますから!?」
こうして俺と夏希の熱い愛人関係が成立をしたのだった。
END。