「はい。新堂スター・コーポレーションっていう
おもちゃ会社なんですが……」

「へぇ~大手のおもちゃ会社ではないか。
凄いなぁ~社長専属秘書とか大変じゃない?」

「いえ、お医者様に比べたら大した事は、ありませんわ」

 ホホッと私は、微笑んだ。
確か中原さんって言ったかしら?
 容姿は、まぁまぁだが若くて知的な感じの人だった。
悪くない……。

「社長秘書ってどんな感じなの?
社長って厳しい人だったりする?」

「社長のそばで、サポートや管理をしています。
社長は……」

 それに関して言葉に詰まった。
社長は、セクハラで困った人だ!
 しかしそれを言うとイメージダウンになる。
それに、この中を見てもダントツにカッコいい。
 あ、いや。社長の事なんてどうでもいいじゃない。
私には、関係ないことだし

「まぁ、実力もカリスマ性もあるんですが
子供みたいにワガママな人です」

 そう答えた。嘘は、言っていない。
これぐらいなら言ってもいい範囲だろう。

「ワガママ?それは、大変だねぇ~君の愚痴を聞いてあげたいよ!」

 そう言いながらさり気なく私の腰に手を回してきた。
えっ?この人も社長と同じなの!?
 いやらしく腰に手を回す中原さんに不愉快な気持ちになった。

「あの…中原さん」

「うん?何だい?」

 ニコッと微笑む彼に私は、手慣れてるなと思った。
多分遊び人だろう。私は、そう感じ取った。

「…いいえ。何でもありません」